6月28日も「電力需給逼迫注意報」は継続、予備率が5%を下回る厳しい見通しに:エネルギー管理
経済産業省は27日に続き、6月28日も東京電力管内の電力需給の逼迫(ひっぱく)が見込まれるとして「電力需給逼迫注意報」の発令を継続する。15時〜18時の時間帯は、特に厳しい電力需給が想定されており、可能な範囲での節電の要請を呼びかけている。
経済産業省は27日に続き、6月28日も東京電力管内の電力需給の逼迫(ひっぱく)が見込まれるとして「電力需給逼迫注意報」の発令を継続する。15時〜18時の時間帯は、特に厳しい電力需給が想定されており、可能な範囲での節電の要請を呼びかけている。
需給逼迫注意報は、翌日の電力需給が厳しい場合に発令される。最大電力需要に対する電力供給の余力を示す予備率が5%を下回る見通しの場合は「注意報」を、3%を下回りそうな場合は「警報」として発令し、需要家に対して節電要請を行うものだ。
経済産業省では6月26日、27日は想定よりも気温が高くなることで電力需要が増加し、同日夕の電力需給の逼迫が見込まれるとして、需給逼迫注意報を発令した。
翌28日も東京の予想最高気温は35℃と、27日に続いて猛暑日が見込まれている。そこで経済産業省では、27日に引き続き28日も電力需給逼迫注意報を継続するとした。16時〜17時の時間帯を中心に予備率が5%を下回る見通しで、特に15時〜18時の時間帯を中心とした節電を要請している。同時に需給状況の改善に向けた全国規模での電力融通などの対策を実施中だ。
政府では今夏の電力需給の逼迫を見通し、2022年7月1日から9月30日にかけて、全国を対象に節電要請を行うことを発表している。しかし今回、想定を上回る気温の上昇を受けて、節電要請の開始を前にして対応が必要になったかたちだ。
関東エリアでは現在、複数の火力発電所が地震の影響などで稼働を停止している。こうした火力発電所の供給力の低下、さらには電力自由化に伴う余剰電源に対する投資の停滞、そして電力需給の逼迫時に供給力の確保を行う十分な制度の不在などが現在の状況につながっている。
2022年の夏だけでなく、冬も電力需給は厳しい見通しとなることが明らかになっている。現在、経済産業省では供給力の確保に向けた新たな制度の導入を進めているが、こうした対策や節電要請をもってしても電力需給が改善できない場合、計画停電が実施される可能性も高まってくる。
社会的混乱を最小化するためにも、節電要請だけではない適切な対策の迅速な実行が喫緊の課題だ。
関連記事
- 2022年夏の“電力危機”をどう乗り越えるか、供給力と燃料の確保に向けた方策は
2022年度の夏も、厳しい電力需給となることが予想されている。政府では供給力の確保に向けた対策として、供給力と燃料の公募を検討している。今回は2022年度の夏に向けて検討が進む、kW公募とkWhの概要について紹介する。 - 電力需給は夏と冬も“綱渡り”の見通し、「ブラックアウト」を防ぐ政府の対策は?
2022年3月下旬に経産省が初の「需給逼迫警報」を発令するなど、大変厳しい状況に追い込まれた国内の電力需給。2022年度の夏と冬も、非常に厳しい需給状況となる見通しだ。政府の委員会で電力需給の最新の見通しと、追加的な供給力確保策等の対策が議論された。 - 経産省が初の「警報」と節電要請、東京電力エリアの電力需要がひっ迫
経済産業省・資源エネルギー庁が、3月22日に東京電力管内の電力需給が極めて厳しくなる見込みとして、初の「需給ひっ迫警報」を発令した。東京電力ホールディングス(以下、東京電力)とともに、節電への協力を呼びかけている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.