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再エネ大量導入へ「ノンファーム型接続」を拡大、23年春からローカル・配電系統への接続を募集エネルギー管理(2/4 ページ)

再生可能エネルギー電源の導入拡大に向け、送電線混雑時の出力制御を条件に、送電線への早期接続を認める「ノンファーム型接続」。2023年4月からは対象となる系統種別を拡大し、ローカル・配電系統への接続を募集する。

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ローカル系統における混雑管理の方法

 先行してノンファーム型接続が導入済みの基幹系統においては、その混雑管理方式として、メリットオーダーに基づき、火力電源を再エネ電源よりも先に出力制御(抑制)している。

 図2の左図(基幹系統)の場合、再エネ(洋上風力)の限界費用は0円であることから、限界費用X円の火力を出力制御することにより、社会全体としてX円を節約できるためである。

 これに対してローカル系統では、右図のように接続している電源が再エネだけの場合、いずれも限界費用が0円であるため、どちらの再エネ電源を先に出力制御しても社会費用は変わらないこととなる(メリットオーダー効果が得られない)。


図2.電源種別の違いと混雑管理の費用メリット 出所:広域系統整備委員会

 また基幹系統に多いループ系統の場合、出力制御する電源の場所により混雑解消効果が異なるのに対して、ローカル系統に多い放射状系統では、どの電源を出力制御しても混雑解消効果は同じである。


図3.系統構成の違いと混雑解消効果 出所:広域系統整備委員会

 基幹系統のノンファーム型接続開始に当たっては、再給電方式による混雑管理を行うために一般送配電事業者がシステム開発を行っているが、ローカル系統では接続電源数が多いため、混雑管理システムの開発期間や開発費用が膨大になる可能性がある。

 本来、ノンファーム型接続は再エネ電源の迅速な接続の実現を目的としていることから、システム開発のために接続が遅滞することは、本末転倒とも言える。

 また上述のとおり、ローカル系統ではメリットオーダー効果が小さいため、システム開発費用の回収が困難となることも予想される。

 このため広域系統整備委員会や再エネ大量導入小委では、ローカル系統においては、再給電方式ではなく、「ノンファーム電源の一律制御方式」による混雑管理を行うことを提案している。


図4.ノンファーム電源一律制御のイメージ 出所:広域系統整備委員会

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