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脱炭素化で注目の「カーボン・クレジット」、国内外の動向と日本での実証結果GXリーグでも活用(4/5 ページ)

日本でも「GXリーグ」が創設されるなど、企業の脱炭素化に向けた動きが加速している昨今。企業のカーボンニュートラル施策の一つとして利用されるのが「カーボン・クレジット」だ。国内外のカーボン・クレジット制度の動向と、日本で実施された実証市場の結果をまとめた。

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新たな「Jブルークレジット制度」の創出に向けた試行

 これまで、炭素除去・吸収系クレジット創出の方法論としては、主に森林管理等が対象とされてきたが、現在、藻場や干潟等を対象としたブルーカーボンと呼ばれる吸収系プロジェクトが注目されている。

 現在、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合が「Jブルークレジット制度」を試行しており、2022年度の認証件数は21件、認証量は3,733トンに上り、一部のクレジットは取引も行われている。

 現時点、Jブルークレジットはボランタリークレジット制度であり、NDCや公的な制度には反映されないが、将来的には国家GHGインベントリに反映され得る取り組みとして期待されている。


図7.Jブルークレジット制度のイメージ 出所:国土交通省

「カーボン・クレジット市場」の実証

 これまで、J-クレジット等のカーボン・クレジットは、主に相対取引が行われてきたが、流動性の低さや価格公示がされない点が課題とされてきた。これに対して、取引所取引では価格公示機能や流動性の向上が期待される。

 このため経済産業省は東京証券取引所に委託し、2022年9月〜2023年1月の間に、J-クレジットを対象とした取引所取引を試行的に実施した。


図8.「カーボン・クレジット市場」取引の流れ 出所:東京証券取引所

 この「カーボン・クレジット市場」の市場設計としては、小口注文に対応するため1トン単位で売買可能として、注文は指値注文のみ、流動性がまだ低いと予想されることから約定は1日2回のみ(11:30、15:00)とした。

 また、決済の安全性確保と幅広い市場参加の観点から、東証がエスクローとしてクレジット・金銭を受領することとした。

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