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急速充電の導入障壁とは? 業界団体・関連企業から見たEV充電器の普及課題電気自動車(3/4 ページ)

設置の遅れが指摘されることも多い日本国内のEV充電インフラ。設置拡大に向けた方策を検討する経済産業省主催の「充電インフラ整備促進に関する検討会」の第2・3回会合では、自動車関連団体や充電事業者、充電器設置者等に対するヒアリングを行い、充電器普及の課題等が報告された。

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高速道路のSA・PAにおける課題

 東日本・中日本・西日本高速道路(NEXCO3社)では、合計851のSA・PAのうち、現時点、401カ所、511口の急速充電器を整備済みである。今後、急速充電器の複数口化・高出力化を進め、2025年度までに約1,100口の急速充電器の整備を予定している。

 しかしながら、高速道路のSA・PAでは、現在も駐車マス(特に大型車用)が不足しており、計画的に駐車マス拡充を実施しているものの、敷地の制約により、充電設備のスペース確保も困難となりつつある。

 このため、高出力化による1回当り充電時間の短縮や小型・分離型などの充電機器の導入が求められている。またNEXCO3社では、一旦高速道路を降りて、高速道路外の充電器も利用可能な制度や新たな課金・決済について、2024年度からの実施に向けて検討中である。

 また、既存充電設備のバリアフリー・ユニバーサルデザイン化も重要な課題であるが、現行の補助金の対象は充電設備の「新設・更新」のみであるため、機器更新が伴わない充電器への対応も必要とされている。


図5.バリアフリー・ユニバーサルデザイン対策 出典:NEXCO3社

充電器の集中多量設置の課題

 EVは移動手段であるため、自宅や職場(社有車の場合)、移動経路、目的地などさまざまな場所に、充電器が分散的に設置されていることが望ましいと考えられる。

 ところが商業施設等の特定の場所1カ所に、多量の充電器が設置される事例が散見される。EV普及率がそれほど高くない現在、このように一点集中的に設置された多量の充電器の利用率は低いことが予想され、社会的な費用対効果の低さが懸念される。

 よってENECHANGEでは、1施設における充電器の上限規定を設けることが望ましいとして、駐車場収容台数に基づく設置上限基数を、「駐車場収容台数の10%、もしくは10基のいずれか低い方」とすることを提案している。

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