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2050年の電力需要の想定 電化や省エネはどの程度進むか?:エネルギー管理(2/5 ページ)
2050年の日本の電力需要や、電化率はどうなる見込みなのか――。広域機関の「将来の電力需給シナリオに関する検討会」で、最新の見通しやシナリオが公表された。
電力の基礎的需要のトレンド
国内の電力需要(系統電力需要)は、東日本大震災以降、人口減少や省エネの進展等により減少傾向が続いており、家庭・業務・産業それぞれの減少率は▲2.0%/年、▲0.2%/年、▲1.0%/年、全体では▲1.0%/年、となっている。
例えば家庭部門の電力需要の長期トレンド(1970〜2019年度)を見ると、世帯数と家庭用電力需要の大きさには相関関係があるが、震災以降は若干、トレンドからの乖離も見られる。
また、業務部門では延床面積と業務用電力需要の間に、産業部門では鉱工業指数と産業用電力需要の間に、相関関係があることが確認されている。
つまり、将来の基礎的電力需要を推計するためには、将来の人口や世帯数、GDPや鉱工業指数をどのように想定するかが非常に重要となる。将来の基礎的電力需要は過去のトレンドをベースとして、「将来の経済・社会指標」×「経済・社会指標あたりkWh」のように算出することが可能である。
「技術検討会社」3者による家庭部門の基礎的需要に関する将来想定は、各社の前提条件の違いがあるものの、一定の幅に収斂する結果となった。
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