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2023年度の容量市場メインオークションの結果が公表、市場分断の傾向は継続エネルギー管理(4/5 ページ)

2023年度容量市場メインオークション(対象実需給年度:2027年度)の約定結果が公表された。全国単一市場を原則とする容量市場だが、市場分断エリアのほうが多くなる傾向がより一層強まっていることが伺える結果となった。

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電源等の落札率と非落札電源の内訳

 2023年度オークションは過去のメインオークションと比べ、高い落札率となっている。全国の落札率を電源等の区分別に見ると、安定電源が落札率97.4%であったほか、変動電源(単独)・変動電源(アグリゲート)・発動指令電源では、いずれも落札率が100%であった。

 非落札となった安定電源418万kWの内訳を見ると、すべて火力であり、実需給の2027年度時点で経年40年以上となる電源の割合は20.9%であった。


図5.非落札電源の内訳 出典:広域機関

応札価格の平均・分布等

 全国の応札価格の加重平均は1,645円/kWであり、エリア・ブロック別に見ると、北海道エリア:4,551円/kW、東北エリア:504円/kW、東京エリア:2,027円/kW、中部エリア:2,258円/kW、北陸/関西/中国/四国エリア:695円/kW、九州エリア:2,570円/kWであった。

 また、電源等の区分別の応札価格の加重平均は、安定電源が1,753円/kW、変動電源(単独)が0円/kW、変動電源(アグリゲート)が29円/kW、発動指令電源が90円/kWであった。

 応札価格を、①0円、②〜Net CONEの50%以下、③〜Net CONE以下、④Net CONE超、の4つの区分にした応札価格の分布は図6の通りであり、「①0円応札」が最多の76.2%を占めている。

 容量市場メインオークションは原則シングルプライス方式であり、落札電源にはすべて同じ約定価格(例えば今回の関西であれば7,638円/kW)が支払われるため、実需給年度の稼働がすでに決定している電源は、必ず落札するために、0円で応札することが合理的である。


図6.応札価格の分布 出典:広域機関

 応札価格分布の4年間の推移を見ると、「①0円応札」が大半であることに変わりはないが、「④Net CONE超」の応札が減少すると同時に、「③Net CONEの50%超〜Net CONE以下」が大きく増加していることが分かる。このような応札価格の電源は、約定価格次第では休廃止を検討すると考えられるが、すでに一部の電源は休廃止の意思決定済みであることが、「④Net CONE超」応札量減少の一因であると考えられる。


表8.応札価格分布の推移(単位:万kW) 出典:広域機関資料を基に筆者作成

図7.応札価格分布の推移 出典:広域機関資料を基に筆者作成

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