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カーボン・クレジット制度の国内外の動向、クレジットの質・訴求方法は一層厳格に法制度・規制(4/4 ページ)

経済産業省はカーボン・クレジット制度に関する検討回を開催し、急速に変化するカーボン・クレジットを巡る国内外の動向に関して議論が行われた。

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GX-ETSにおける適格カーボン・クレジットの拡大

 2023年度より、GXリーグにおける排出量取引制度(GX-ETS)の第1フェーズが開始された。GX-ETSでは、自社での削減や超過削減枠のほか、一定の要件を満たす「適格カーボン・クレジット」を利用することにより、目標達成を可能としている。現時点、適格カーボン・クレジットに該当するものは、J-クレジットとJCMクレジットだけである。

 そこで国はGXリーグでの検討を踏まえ、表5の要件(判断基準)を満たすボランタリークレジットを新たに適格カーボン・クレジットとして位置づけることとした。当面は、将来的に日本のNDCへの貢献の可能性が期待されるCCU、沿岸ブルーカーボン、BECCS、DACCSの4つの方法論に限定する。


表5.GX-ETS適格カーボン・クレジットの判断基準案 出典:カーボン・クレジット環境整備検討会

 CCSを伴うプロジェクトは、JCMパートナー国以外に有望な候補国が複数あると考えられることから、この新たな判断基準により、クレジット化が後押しされると考えられる。

 なお、これらの新たな適格ボランタリークレジットについては、NDC達成に直接的に貢献するJ-クレジットやJCM制度によるプロジェクト組成の動機が損なわれないよう、排出量の5%を使用上限とする。

 クレジットの利用はそれぞれの制度目的に応じて選択されるべきであるが、今後も国際的な動向に対する目配りも不可欠であると考えられる。

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