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非化石証書の24年度初回入札は約定量が急増、高度化法の中間目標の達成率は9割超に:第96回「制度検討作業部会」(5/5 ページ)
資源エネルギー庁の制度検討作業部会で、2024年度における非化石証書の第1回オークション結果が公表。また、小売電気事業者などに対して一定以上の非化石電源の活用を求める高度化法で定められた中間目標(について、その達成状況が報告された。
今後の非化石証書の見直しの方向性
再エネ価値取引市場では、トラッキング情報としてRE100基準(運転開始15年以内)を満たす電源を希望する買い手が大半であるなど、GHGプロトコルやRE100などのグローバルなルールやイニシアティブが、国内における再エネ価値市場における入札行動に直接的な影響を与えていると指摘されている。また、需要家からは、証書の有効期限の見直しや、非FIT証書の直接取引の対象拡大など、さまざまな制度改善が要望されている。
現在の非化石証書の性質としては「再エネ価値訴求型」としているが、将来的には「電源証明型」を目指す方向性がすでに示されている。GHGプロトコル改訂に向けた議論の動向等を踏まえ、非化石証書をより国際的に整合性の取れた制度としていくことが期待される。
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