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中部・西日本で電力の周波数品質が低下、その要因分析と今後の対策:第101回「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」(4/4 ページ)
電気の品質指標の一つである「周波数」。昨今、中部から九州にかけての中西エリアの周波数品質の悪化傾向が続いている。広域機関の「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」ではその要因や対策状況が報告された。
周波数品質向上に向けた取り組み
中西エリア各社では、非調整電源の割合が多くなる断面においても、GF・LFCを中心とした調整力の確保をはじめとする運用対策の確実な実施により、周波数品質悪化の防止を図ることとしている。また、周波数品質を向上させる効果的な調整要素(調整量・変化速度・遅れ時間)や、変動要素の影響評価や低減対策について、広域機関等とともに検討を行う予定としている。
また一般送配電事業者各社では、2026年度から北海道・沖縄エリアを除く8エリアにおいて、「広域LFC」の運用開始を目指している。広域LFCでは、系統全体の需給ギャップ解消に必要となる調整(LFC)を各エリアが協調して実施することにより、中西エリア60Hz系統全体としてはFFC方式に近い周波数制御が実現すると考えられる。これにより、中西エリアの周波数品質が一定程度改善すると期待されている。
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