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日本のGX戦略をアップデート 新たな「GX2040ビジョン(案)」の内容とは?第14回「GX実行会議」(4/5 ページ)

日本のGX(グリーン・トランスフォーメーション)の実行策について検討を進めてきた「GX実行会議」。同会議では昨今の国際情勢の変化などを受け、これまでの戦略をアップデートした「GX2040ビジョン(案)」を公表した。

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個別分野の取り組みと「分野別投資戦略(ver.2)」案

 冒頭に述べたとおり、「GX2040ビジョン」とは「GX推進戦略」を改定したものであるため、個別分野の取り組みの内容の多くは、従来のGX推進戦略と同じ路線にある。

 また、エネルギー分野の内容については、第7次エネルギー基本計画案を反映し、以下の項目などが盛り込まれた。

  • 再エネを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスのとれた電源構成を目指す
  • ペロブスカイト太陽電池(2040年までに約20GWの導入目標)、浮体式を含む洋上風力(2040年までに30GW〜45GWの案件形成目標)、次世代地熱等の開発・社会実装を進める
  • 再エネか原子力かといった二項対立的な議論から脱却し、脱炭素電源を最大限活用する
  • 原子力は、安全性の確保を大前提に既設炉の再稼働を加速し、「廃炉を決定した事業者が有する原子力発電所のサイト内」における次世代革新炉への建て替えを具体化する

 同様に、「分野別投資戦略」はVersion 2への改定案が示され、これも内容の大半は従来版(Version 1)と同じであるが、「くらし関連部門」において、建築物省エネ法やトップランナー制度による、より高い省エネ水準の住宅の供給を促す枠組みの構築や、ZEH水準を大きく上回る省エネ性能を有する住宅の導入支援、住宅性能表示制度における基準の充実、が加えられた。また、「次世代型地熱」の投資戦略が新たに追加され、2030年代早期の実用化を目指し、研究開発・実証を進め、事業化につなげることとした。


図8.主な次世代型地熱技術の概要 出典:資源・燃料分科会

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