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日本のGX戦略をアップデート 新たな「GX2040ビジョン(案)」の内容とは?第14回「GX実行会議」(3/5 ページ)

日本のGX(グリーン・トランスフォーメーション)の実行策について検討を進めてきた「GX実行会議」。同会議では昨今の国際情勢の変化などを受け、これまでの戦略をアップデートした「GX2040ビジョン(案)」を公表した。

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新たな金融手法の活用

 「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現を支える柱の一つが「脱炭素成長型経済構造移行債」(GX経済移行債)である(図3参照)。

 GX推進戦略ではGX経済移行債について、調達する資金の使途やレポーティング方法等を示したフレームワークを策定したうえで、国際標準への準拠について評価機関からの認証を取得した、個別銘柄「クライメート・トランジション・ボンド(CT国債)」として発行することが定められている。

 2024年2月には、表1・2のように、国による世界初のトランジション・ボンドとして、発行が開始された。


(上)表1.CT国債(令和5年度発行分)の入札実績/(下)表2.CT国債(令和5年度発行分)充当予定事業 出典:CT国債資金充当レポート

脱炭素電源を活用したGX産業立地政策

 脱炭素電力・脱炭素燃料を利用した製品・サービスが付加価値を生む時代となり、世界各国でも経済安全保障の観点を踏まえ、脱炭素エネルギーを有効利用し、サプライチェーンを自国内に誘導する動きが顕在化しつつある。

 一般的に、再エネ等の脱炭素エネルギーの供給は地域偏在性があるため、「エネルギー供給に合わせた需要の集積」という発想の転換が必要とされており、「新たな産業用地の整備」と「脱炭素電源の整備」を進め、今後の地方創生と経済成長につなげていくことを目指す。

 また、DXの進展によりデータセンターやネットワークセンターの増加・規模拡大が想定されるが、電力を供給する送電系統の整備には長い年月と大きな費用を要することと比べ、通信網は相対的に短期間・低コストで整備可能と考えられる。

 よって、「ワット・ビット連携」により、まずは電力インフラから見て望ましい場所へのデータセンター等の立地を促し、必要となる次世代の通信基盤についても、それと整合性をもって計画的に整備を進める。

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