再エネ100%で運用する植物工場 イワテックが自家消費システムを実証:太陽光
イワテックが鹿児島県薩摩川内市において、しいたけ栽培工場向け自家消費システムの稼働を開始。太陽光と蓄電池、さらに純水素燃料電池を活用し、再エネ100%での運用を目指すという。
イワテックは2025年4月7日、鹿児島県薩摩川内市において、しいたけ栽培工場向け自家消費システムの稼働を開始したと発表した。使用する電力をすべて再生可能エネルギーで賄うことを目指したもので、2024年12月から稼働を開始した。
同工場には出力約620kWの太陽光発電システム、容量1035kWhのリチウムイオン蓄電池を併設。さらに万が一のエネルギー不足に備え、出力4.0kWの純水素型燃料電池をバックアップ電源として導入した。これらのシステムおよび工場の電力使用量などは、エネルギーマネジメントシステムで統合管理を行う仕組みだ。
イワテックでは2008年から太陽光発電や地熱などの再生可能エネルギー事業に参入。2015年からは水素関連事業も開始し、長崎市で太陽光発電、蓄電池、水素製造設備を組み合わせた「再エネ水素実証プラント」を2021年から稼働させている。この実証プラントでは、変動する再エネ電力に応じて最適な水素製造を行う制御システムの検証や、製造した水素ガスを高圧シリンダーに充填し、純水素型燃料電池などさまざまな用途で利用可能な形態で市場に供給するシステムの構築を目指している。
今回のしいたけ栽培工場に導入したシステムは、こうした事業ノウハウを活用したもので、再生可能エネルギーだけでなく、貯めて運ぶことができるグリーン水素を利用可能とした、再エネ電力100%の植物工場向け自家消費システムとして開発を行ったという。
同社では今後、今回のしいたけ栽培工場の運用成果などを活用し、再エネ電力100%のソリューションとして事業化を目指す方針だ。
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