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急増するデータセンター・蓄電池の系統接続 連系の迅速化に向け制度変更を検討:第4回「次世代電力系統WG」(4/4 ページ)
経済産業省が主催する「次世代電力系統ワーキンググループ」で、データセンターや系統用蓄電池の接続検討が急増していることを受け、迅速な接続に向けた規律の強化や、系統接続ルールの見直し案などが検討された。
系統用蓄電池の接続ルールの見直し
発電設備(逆潮流)については、2021年から順次「ノンファーム型接続」が導入され、系統混雑時の出力抑制を前提として、速やかに低コストで系統に接続することが可能となっている。蓄電池に対しても、系統混雑時には充電(順調流)を制限することを前提に、容量を確保せずとも系統への接続を可能とする仕組みを導入することが望ましい。
しかしながら、調査の結果、順潮流側のノンファーム型接続を導入する場合、システム構築に5年以上の期間を要する可能性があることが明らかとなった。このシステム構築期間を短縮するためには、当面は対象とする系統を限定することや、一定規模以上の蓄電池に限定するなどの対処策が考えられる。
また、他のエリアに先立って系統用蓄電池の接続申込が急増した北海道エリアでは、独自の「充電制御装置を活用した系統用蓄電池の接続」を2022年から運用しており、他エリアでも同様の仕組みを導入することが対策となり得る。ただし、将来的にノンファーム型接続への移行を前提とする場合、システム面及び制御に必要となるハードの両面において、二重投資となることが懸念される。また、導入までの年数は相対的に短いとはいえ、2〜3年程度を要すると推計されている。
今後、電力広域的運営推進機関において制御システムに関する技術的な検討を行い、可能な限り早期に、系統用蓄電池の新たな接続ルールの導入を目指すこととしている。
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