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エネルギー供給構造高度化法 2040年度の非化石電源比率目標は60%に第108回「制度検討作業部会」(2/4 ページ)

一定以上の電力販売規模を持つ小売電気事業者等に対し、一定比率以上の非化石エネルギーの利用を義務付けるエネルギー供給構造高度化法。資源エネルギー庁の「制度検討作業部会」では2026年度から始まる第3フェーズを前に、事業者の足元の目標達成状況や、今後の目標水準などが検討された。

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高度化法第2フェーズにおける各事業者の義務達成状況

 第1フェーズ(2020〜2022年度)では当該3カ年の平均達成率を用いて、対象事業者の評価を行っていたが、第2フェーズでは、単年度ごとに中間目標値の達成状況を評価する仕組みを導入している。2024年度において目標達成した事業者の比率は93%であった。

 なお、中間目標値は年度を通じた供給量が5億kWh以上となった小売電気事業者に対して通知(設定)しているため、5億kWhを超過した初年度には目標値が通知されていない。


表1.第2フェーズ 中間評価の結果 出典:制度検討作業部会

 エネ庁では、目標達成事業者と未達事業者の社名及び達成状況を公表することにより、各社の今後の確実な目標達成に向けた取り組みを促すこととしている。

 2024年度中間評価において未達となった小売電気事業者は、表2の4社であった。このうち3社は目標値に対する達成率が97%以上であり、ヒアリングにより未達成の理由が事務的なミスであると分かったため、未達成の状況が軽微であると判断された。

 残る1社はその達成率が63%であり、未達成の状況が軽微とは言い難い。また同社は第1フェーズでも未達(達成率80%未満)であったため、国が高度化法に基づき「指導及び助言」を実施したにも関わらず、2024年度は状況の改善が見られず、予算確保が難しかったことを理由に市場や相対取引を通じた非化石証書の調達を怠っていた。(※なお同社は2023年度中間評価では目標達成)

 これらを総合的に勘案すると、2024年度の同社の取組状況は「著しく不十分である」と判断され、高度化法に基づき非化石証書の調達が「勧告」された。


表2.2024年度中間評価における未達成事業者 出典:制度検討作業部会

 同社は、今後は非化石証書の調達に必要な予算を確保し、年度途中に予算が不足した場合は確実に追加予算を確保する予定としているが、仮に勧告に係る措置を取らない場合は、命令が発せられ、当該命令に違反する場合は罰則の対象となる。

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