“グリーンウォッシュ”と環境表示規制の国際動向 日本の「環境表示ガイドライン」も改定へ:第2回「環境表示のあり方に関する検討会」(4/4 ページ)
“グリーンウォッシュ”と言われるような不適切な環境表示への批判の高まりなどを背景に、国際的に環境情報の提供や表示に関する規制強化が広がっている。環境省はこうした動向を受け、新たに「環境表示のあり方に関する検討会」を設置し、環境表示ガイドラインの改定に向けた検討を開始した。
環境表示ガイドライン改定の方向性
ISO 14021やUNEPガイドライン等では、「ライフサイクル全体の考慮」が規定されているが、現行の環境表示ガイドラインの5つの「基本項目」には掲げておらず、基本項目②の一要件としての位置付けであるため、やや目立たない状態にあると考えられる。
EU不公正取引慣行指令の不公正取引リストに「製品の特定の側面または事業の特定の活動のみに関係しているにもかかわらず、製品または事業の全体について環境主張を行うこと」が追加されたため、今後はライフサイクル全体の考慮が必須要件となっている。
このため、環境表示ガイドライン改定版では、「製品のライフサイクルにおける、関連する側面のすべてを考慮すること(プラス面だけでなく重大なマイナスの影響はないか)」を基本項目に追加(格上げ)することとした。なお、基本項目③と⑤は相互に関連するため、一項目に統合する。
現行の環境表示ガイドラインの基本項目①においても「あいまいな表現や環境主張は行わないこと」を求めているが、グリーンウォッシュを避けるため、さらなる明確化が求められている。このため、環境表示ガイドライン改定版では、ISO 14021、EU不公正取引慣行指令、FTCグリーンガイド等で主張を禁じている用語の全てを列挙することとした。
さらに、ISO 14021等で、解釈や使用する際の条件等が定義されている用語を全て列挙し、同規格への準拠を促すこととする。
また、多くの日本の事業者が実施している旧タイプIIラベルは、日本国内では問題がない場合でも、今後EU域内では不公正取引となることを参考情報として記載することとした。
検討会では、ガイドラインの改定作業を進め、2026年2月にパブリックコメントを実施し、2026年3月に改定版を公表する予定としている。
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