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費用負担や需要創出が課題に 「SAF(持続可能な航空燃料)」導入促進に向けた基本方針第8回「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」(2/3 ページ)

航空分野のカーボンニュートラルに向けて世界で利用が進んでいる「SAF(持続可能な航空燃料)」。国内でのSAF普及に向けた施策を検討する官民協議会は、国による規制と支援措置や、民間事業者が取り組むべき内容などの基本方針について、中間とりまとめを行った。

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国際競争力のある価格・安定的な国産SAF供給体制の構築

 政府はこれまでも、GI基金やGX経済移行債を活用し、民間事業者のSAF製造技術開発や設備投資に対する支援を行ってきたが、近年のインフレや人手不足はプロジェクト推進の大きな課題となりつつある。このためSAF導入促進基本方針では、プロジェクトコストや工期の変更が生じる場合にも、費用面やスケジュール面で最大限柔軟な対応を行うとの考え方が示された。

 なお、SAFのように生産段階でのコストが高い製品は、初期投資促進策だけでは国内投資の判断が容易ではないため、戦略分野国内生産促進税制を適用し、30円/Lの税額控除が措置されている。

 また、SAF原料の安価かつ安定的な供給に向けて、家庭用廃食用油等の未利用国内資源の回収拡大を図るための措置を講じることとした。


図4.廃食用油のリサイクルの流れ(2022年度) 出典:農林水産省

 ICAOの削減目標を順守するためには、CORSIAが定めるSAF原料を使用する必要があるが、日本からの提案により、2025年11月に「建築/解体廃棄物の生物起源分」等の新たな原料が登録され、原料入手の幅が広がった。

 またSAFを製造する製油所では、連産品として次世代バイオディーゼル(HVO:Hydrotreated Vegetable OilまたはRD:Renewable Diesel)が製造される。SAF製造プロジェクト全体の収益性を向上させる観点から、次世代バイオディーゼルの普及拡大に必要となる、軽油JIS規格等の見直しを行う方針が示された。

SAFの需要創出及び利用者負担に係る仕組みの構築

 現時点、SAFは従来型ジェット燃料と比べて数倍高価であるため、すでに諸外国においてはSAFの直接的な利用者である航空会社や、そのフライトを利用する搭乗者等に対する幅広いSAF利用促進策が導入されている。


表2.諸外国のSAF導入促進策の類型 出典:SAF官民協議会

 政府によるSAF促進策の例として、シンガポールでは、シンガポールを出発するすべてのエアライン搭乗者や貨物輸送を対象として、「SAF Levy(賦課金)」を2026年から徴収開始する予定としている。Levy額は飛行距離(行先地域)や搭乗クラスにより異なり、エコノミークラスの場合、表3のような金額が予定されている。


表3.SAF Levy額(エコノミークラスの場合) 出典:SAF官民協議会

 今後日本でも、幅広い航空輸送サービス利用者に一定の費用負担を求める仕組みの構築に向け、航空運送事業者へのインセンティブ(値差支援)の在り方について、遅くとも規制的措置(高度化法)と同時期からの開始を目指して、法改正の必要性も含めた制度検討を進めることとした。

 また民間事業者によるSAF促進策として、一部の航空会社では燃油サーチャージに似た「SAFサーチャージ」を設定しており、例えばKLMオランダ航空では、SAF混合率1%に相当する費用としてEU域内のエコノミークラスで1〜4€を搭乗者から徴収している。搭乗者は別途自主的にSAF100%オプションも選択購入可能であり、アムステルダム−ロンドン間のエコノミークラスでは73.60€の追加料金とされている。

 日本の航空法では、航空会社の主体的なCORSIA義務履行に向けて、「航空運送事業脱炭素化推進計画認定制度」を運用しており、現時点、ANAグループ、JALグループ、AIRDO、スカイマークの4者の計画が認定されている。各社の計画では、2030年度までに使用燃料の10%以上をSAFに置き換えることを目標として掲げている。

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