費用負担や需要創出が課題に 「SAF(持続可能な航空燃料)」導入促進に向けた基本方針:第8回「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」(3/3 ページ)
航空分野のカーボンニュートラルに向けて世界で利用が進んでいる「SAF(持続可能な航空燃料)」。国内でのSAF普及に向けた施策を検討する官民協議会は、国による規制と支援措置や、民間事業者が取り組むべき内容などの基本方針について、中間とりまとめを行った。
SAFの利用によるScope 3排出量の削減
また近年、企業のScope3排出量の算定・削減が求められている。この動きを後押しするため、今後、国土交通省は「航空輸送におけるScope 3排出量算定・報告ガイドライン」を策定し、算定方法の統一化を図る予定としている。
民間企業等のボランタリーな取組を促進するモチベーションの一つとして、SAFの利用量等に応じて公式な認証ラベルを付与し顕彰する「ブルースカイ認証」(仮称)制度の創設について検討を継続する。
次期GXリーグでは、SAFやそのフライトを「GX率先実行宣言」の対象製品・サービスの一つと位置付けており、これらの使用に積極的に取り組む企業に対しては、GX予算の補助金や委託事業において、加点インセンティブの付与等を検討する予定としている。
また、GHG削減のための「政府実行計画」においても、政府の事務・事業におけるScope3排出量の削減が求められており、政府における率先行動や政府調達によるSAF需要の創出も重要である。今後、国家公務員の出張における環境価値の付与について、グリーン購入法または旅費法等との関係性並びに予算上の取扱いの整理に関して、政府内で調整を進める予定としている。
今後の進め方
当初、エネルギー供給構造高度化法に基づくSAF供給目標量の設定・施行は2025年頃が予定されていたが、その費用負担の在り方の整理等が遅れたため、現時点、施行の具体的な目標スケジュールは示されていない。
今後はSAFの利用者によるコスト負担制度について並行的に検討を進め、遅くとも、高度化法に基づくSAF供給目標量(案)の見直し後の制度開始までには、利用者負担制度を開始する予定としている。
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