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注目集まる「次世代革新炉」 日本での社会実装に向けた開発ロードマップが公表第12回「革新炉WG」(3/3 ページ)

安全性と効率を高めた「次世代革新炉」の社会実装に向けた動きが世界的に広がっている。こうした動向を受け、資源エネルギー庁の「革新炉ワーキンググループ」は、日本における次世代革新炉の技術開発ロードマップを策定した。

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「高温ガス炉」の開発ロードマップ

 革新炉WGにおいて「高温ガス炉」とは、減速材に黒鉛、冷却材にヘリウムガスを用いて、900℃近くの熱を利用できる原子炉と定義される。この高温熱を利用して水素を製造し、高炉水素還元等による製鉄の脱炭素化や化学産業における脱炭素化が期待されている。


表1.高温ガス炉と軽水炉の違い 出典:革新炉WG

 高温ガス炉はJAEAのHTTR(高温工学試験研究炉)を経て、2023年8月から三菱重工を中核企業として実証炉(20万kWt級)開発事業が実施されている。実証炉は、2027年度から基本設計を開始し、2028年度頃のHTTRによる水素製造試験等を経て、2029年度にコスト評価等を踏まえた次の段階への移行判断を行うマイルストーンを設定している。

 実証炉の設計を進めるには、実施主体や立地場所の決定が前提であり、具体的な計画開始には立地自治体等の理解が必要となる。現在のHTTRが設置されている茨城県は、実証炉を茨城県内に設置するよう国に要望を発出している。


図6.高温ガス炉:実証炉実現に向けた開発ロードマップ 出典:革新炉WG

フュージョンエネルギーのロードマップ

 フュージョン(核融合)エネルギーとは、軽い原子核同士が融合して別の原子核に変わる際に放出されるエネルギーであり、ウラン燃料を用いて核分裂を行う現在の原子力発電とは全く異なる技術である。


図7.フュージョン(核融合)と核分裂の原理イメージ 出典:内閣府科学技術・イノベーション推進事務局

 内閣府が2025年6月に改定した「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」においては、「ITER計画/BA活動の知見や新興技術を最大限活用し、世界に先駆けた2030年代の発電実証を目指し、バックキャストによるロードマップを今後策定するとともに、QST等のイノベーション拠点化を推進し、フュージョン産業エコシステムを構築」するとしている。

※ITER:国際的研究開発プロジェクトによる核融合エネルギー実験施設(フランス)
※BA(Broader Approach、幅広いアプローチ):ITER計画を補完する研究開発プロジェクト
※QST:国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構

 また、内閣府の「フュージョンエネルギーの社会実装に向けた基本的な考え方検討タスクフォース」では、2026年3月の取りまとめに向けた検討が進められており、バックキャストに基づく「フュージョンエネルギーの社会実装に向けたロードマップ(案)」が示されている。国の「日本成長戦略会議」においてもフュージョンエネルギーは、17の戦略分野の一つとして、「フュージョンエネルギーWG」において、「官民投資ロードマップ」の策定に向けた検討が進められている。


図8.フュージョンエネルギーの社会実装に向けたロードマップ(案) 出典:内閣府科学技術・イノベーション推進事務局

 よって、フュージョンエネルギーについては資源エネルギー庁が別途ロードマップを作成することはせず、内閣府のロードマップをそのまま当てはめる予定としている。

 なお、第12回「革新炉WG」では、フュージョンエネルギー産業協議会会長の小西氏が資料を配布し、フュージョンを我が国の将来を担う産業の候補とすることは適切であるとする一方、直ちに主要なエネルギー源になるわけでなく、着実な技術開発が不可欠であり、安易、性急な論調に注意するよう警告を発していることに留意が必要である。

 革新炉WGにおいて取りまとめられた「次世代革新炉開発ロードマップ(案)」は、それぞれの炉型だけを見れば、一定の妥当性を持つものであるとしても、炉型によりステージが異なるとはいえ、これらのすべてを同時に進めることは、人材や資金の制約上、非常に困難であると考えられる。炉型間の競合も考慮したうえで、国全体としての次世代革新炉の在り方について整理・検討が求められる。

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