注目集まる「次世代革新炉」 日本での社会実装に向けた開発ロードマップが公表:第12回「革新炉WG」(2/3 ページ)
安全性と効率を高めた「次世代革新炉」の社会実装に向けた動きが世界的に広がっている。こうした動向を受け、資源エネルギー庁の「革新炉ワーキンググループ」は、日本における次世代革新炉の技術開発ロードマップを策定した。
「小型軽水炉」の開発ロードマップ
「小型軽水炉(SMR: Small Modular Reactor)」にもさまざまなタイプがあるが、革新炉WGでは、電気出力が概ね30万kW以下の軽水炉と定義される。海外では規制当局の許認可を得たうえで、民間事業者において具体的なプロジェクトが進んでおり、技術面では社会実装の段階とされる。
ただし、海外の小型軽水炉を日本に設置する場合、地震や津波など日本特有の自然条件への適合性は非常に重要な論点であり、設計変更の要否などの検討が必要となる。また日本国内では、小型軽水炉に関する安全規制が未整備であるため、規制基準の整備に向けて、規制当局との意見交換に向けた検討を進めることが求められる。
政府は、事業者の小型軽水炉特有の要素技術開発や、日本への設計適合性検討の取り組みを支援する方針だ。
「高速炉」の開発ロードマップ
革新炉WGにおいて「高速炉」とは、高速中性子により核分裂連鎖反応が維持される原子炉と定義され、化学的に活性な金属ナトリウムを利用するなど、従来の軽水炉技術と異なる技術体系とされる。
高速炉は、実験炉「常陽」や原型炉「もんじゅ」を経て、足元では三菱重工を中核企業に、JAEA(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)を研究開発統合組織として、実証炉(600MWe級)の開発事業が進められている。同実証事業では、2026年度の「燃料選択(酸化物燃料/金属燃料)」や、2028年度の「基本設計への移行判断」というマイルストーンが設けられている。
先述の革新軽水炉や小型軽水炉の開発ロードマップは「社会実装」に向けたものであるのに対して、高速炉(及び次節の高温ガス炉)では「実証炉実現」に向けたものであるという違いがある。
ロードマップの2028年度の「基本設計への移行判断」の際には、その判断事項として技術成熟度だけでなく、中長期的な原子力政策やエネルギー政策の観点、システム全体の経済性見込みなどさまざまな観点から評価を行う予定としている。
燃料の決定及び基本設計の移行判断を念頭に、実際に実証炉を設置・運営する実施主体や燃料製造主体の検討・決定を経て、それらの立地場所の決定に繋げていく。立地自治体等関係者の理解と協力が得られるよう、政府も前面に立って取り組む。
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