太陽光発電の保安規制で新方針 構造安全性の確認制度を強化へ:第34回「電力安全小委員会」(2/3 ページ)
経済産業省の電力安全小委員会は、太陽光発電設備の事故原因や現状の保安上の課題を踏まえ、今後の対応の方向性について取りまとめを行った。構造設備について第三者機関による事前の適合確認を義務付けるなど、確認制度を強化する方針だ。
発電設備の破損の内訳
太陽光発電設備(出力50kW以上)の破損の内訳は、図3の通り、PCSが最多の6割程度であり、モジュールや架台・基礎は年度により多少の変動があるが1〜2割程度を占めている。例年は、風雨や氷雪等の自然災害が電気工作物の破損の原因の多くを占めるが、2023年度は能登半島地震が発生したため、地震が電気工作物の破損の原因の多くを占めた。
また、PCSで事故が発生した際は事故機をメーカーに引き渡し、新品と交換するが、事故原因の究明については製造事業者の調査結果待ちとなり時間が掛かることや、PCSの事故の多くが焼損を伴うことが、事故原因が「不明(調査中又は調査終了)」となる案件が多い原因となっている。
過去の火災事故を踏まえ、「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説」を2025年5月に改正し、PCS等の周辺の燃えやすい可燃物(枯れた下草等)に対して延焼防止措置を講ずることを省令の要件を満たす技術的内容として具体的に示し、業界団体を通じて周知している。
PCS製造事業者等の協力を得るための制度整備
図3の通り、PCSは太陽光発電設備における事故の6割程度を占めている。PCSの品質管理・保守管理については、PCSに関する技術基準、国際規格や系統連系協議における安全確保の実態等の最新動向を踏まえて、十分な品質の確保が図られているか不断の見直しを継続していくことが求められる。また、PCS製造事業者が定める推奨時期内に精密点検や部品交換を実施することの重要性について、設置者に対して周知徹底することが求められる。
なお、太陽光発電設置者や電気主任技術者へのヒアリングによると、PCSのカバーを外すとメーカー保証対象外となる場合があるため、保守点検のためにカバーを外すことができない場合があることが課題として指摘されている。
電気事業法上の保安責任は設置者にあり、事故等の原因究明とそれを踏まえた保安の確保は設置者による実施が前提であるが、事業用電気工作物の設置者が円滑に事故等の原因を究明し保安の確保を図るため、事業用電気工作物の製造事業者・輸入販売事業者や工事業者といった関係する事業者の協力を得られるよう、新たな措置を講じることとした。
経済産業大臣が設置者に対し、技術基準適合命令を行った場合に、それを受けて設置者がとる措置の実施に、関係する事業者が協力せず、当該措置の実施に支障がある場合は、経済産業大臣による勧告や、正当な理由なく当該勧告に従わない場合の公表を可能とする。さらに、経済産業大臣による関係する事業者に対する報告徴収や立入検査、製品評価技術基盤機構(NITE)による製造事業者等への立入検査を可能とする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

