第3回長期脱炭素電源オークションの結果が公表 落札は32件・730万kWに(1/4 ページ)
電力広域的運営推進機関は3回目となる長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)を2026年1月に実施。その約定結果が5月13日に公表された。
電源投資回収の長期的な予見可能性を高め、脱炭素電源への新規投資を促進することを目的に、容量市場の一つとして「長期脱炭素電源オークション」が2023年度に導入された。同オークションで落札した電源は、マルチプライス方式で決まった容量収入を原則20年間得ると同時に、他市場から得た収益の約9割を還付する仕組みとしている。
電力広域的運営推進機関は、本制度開始後3回目となるオークション(2025年度応札)を2026年1月に実施し、その約定結果が5月13日に公表された。
長期脱炭素電源オークション(2025年度)の対象電源と上限価格
長期脱炭素電源オークションが対象とする電源は、あらゆる脱炭素電源の新設・リプレースおよび既設火力の脱炭素化への改修における新規投資である。ただし、オークション開催時点では応札が想定されない電源や入札上限価格を設定することが困難な電源等は、入札の対象から除外されており、2025年度の入札対象及び上限価格は表1の通りである。太陽光や蓄電池等はエリアごとに調整係数が異なるため、表1では上限価格を幅をもって示している。
2024年度第2回入札と比べ2025年度第3回入札では、以下の変更が行われている。
- 既設火力(石炭、LNGのみ)をCCS付きにするための改修の追加
- 長期エネルギー貯蔵システム(LDES:Long Duration Energy Storage)の追加
- 蓄電池・揚水の「運転継続時間3時間以上6時間未満」枠の廃止
- 混焼率・CO2回収率下限値の設定(水素は+10%以上、アンモニア・CCSは+20%以上)
- 「脱炭素火力」の上限価格の引き上げ
また、短期的な電力需給逼迫防止の観点から、2023〜2025年度の3年間は、LNG専焼火力の新設・リプレースも入札対象としている(2026年度以降の追加募集は今後検討)。LNG専焼火力であっても、制度趣旨に則り、供給力提供開始から10年以内に脱炭素化に向けた対応を開始し、2050年までに脱炭素化を完了することが応札条件とされている。
長期脱炭素電源オークション(2025年度)の募集量
第3回オークションにおける脱炭素電源の募集量は、図2のように500万kW(第1回は400万kW、第2回は500万kW)である。「既設原発の安全対策投資」は、第2回入札において315万kWが落札し、その募集上限200万kWを大きく上回ったことを踏まえ、第3回では募集上限を150万kWに縮小している。また、「脱炭素火力(水素・アンモニア・CCS)」は上限価格を約2倍に引き上げたため、需要家負担に配慮し、その募集上限は50万kWに縮小された。
なお、落札電源の総容量が脱炭素電源の募集量に達せず、募集枠に残りがある場合、募集上限を超えて落札処理が行われる。ただし「蓄電池・揚水・LDES」は、放電・発電のためには蓄電・ポンプアップが必要であり、供給力としての価値が限定的であるため、落札量は最大でもそれぞれの募集上限の2倍までとしている。
またLNG専焼火力の募集量は、図2の外に、約293万kW(2024年度の残余分約93万kWを含む)とされている。
オークションで落札した電源が容量収入を得られる期間(制度適用期間)は原則20年間であるが、事業者は20年よりも長期の適用期間(1年単位)を希望することも可能である。
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