第3回長期脱炭素電源オークションの結果が公表 落札は32件・730万kWに(2/4 ページ)
電力広域的運営推進機関は3回目となる長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)を2026年1月に実施。その約定結果が5月13日に公表された。
長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度)の約定結果
第3回長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度)は、蓄電池等によるおう盛な応札により、応札容量は合計1,085.6万kWに上り、約定容量は脱炭素電源が426.1万kW、LNG専焼火力は303.8万kW、約定総額はそれぞれ4,748億円/年、1,444億円/年となった。
また広域機関では、一定の前提条件に基づき「他市場収益」の還付額を推計し、これを控除した後の実質的な支払総額の試算についても公表している。一部の試算条件ではJEPXスポット市場価格が高水準であったため、還付額が容量確保契約金額を超過する逆転現象も生じている。なお蓄電池・揚水・LDESは、発電コスト検証WGにおいて可変費・設備利用率が公表されていないため、他市場収益還付額を試算しておらず、表2の還付額控除に含まれていない。
表2の数値は実需給年度が異なる電源の約定総容量と約定総額であり、制度適用期間にわたり一定の値ではないが、ごく単純に、kW・年あたりの約定単価(概算値)を筆者が算出したものが表3である。他市場収益の推定還付額を控除する前の金額であるため、これがそのまま国民負担となるわけではないことに留意願いたい。
過去の入札と比べ、脱炭素電源は上限価格の引き上げに伴い高額化していることや、LNG専焼火力についても近年のインフレ等を踏まえ高額化している傾向が見て取れる。
発電方式別の応札容量・落札容量
発電方式別に見た応札容量・落札容量・落札率は図3の通りである。長期脱炭素電源オークションでは、容量市場メインオークションとは異なり、具体的な落札電源の事業者名・落札案件名・電源種・落札容量が一覧で公開されており、本稿では件数等の情報はこれを参照している。
3回目の入札となる今回初めて、水素専焼の案件が2件・計253,054kW落札となった。また原子力では、大間原子力発電所1,381,275kWのほか、泊発電所1号機の「既設原子力の安全対策投資」557,848kWが落札となった。蓄電池は過去2回と比べ、応札容量が減少したため、落札率は上昇している。LNG専焼火力は、過去2回の入札では落札率が100%であったが、今回初めて、多くの非落札が発生した。
また、落札電源における「新設」「リプレース等」「既設火力の改修」の比率の3年間の推移を集計したものが図4である(※落札各社のプレスリリース等を見ると、広域機関の集計とは異なる案件もあるように思われるが、本稿では広域機関の集計をそのままグラフ化した)。
供給力を純増させる観点では、「新設」の増加が期待されるが、需給が厳しい現在、「リプレース等」により、供給力の剥落を防ぐことも等しく重要とされている。
過去3回の長期脱炭素電源オークションの約定結果を、発電方式別に落札容量と件数をまとめたものが表4である。案件数では蓄電池が最多である状況に変わりはないが、次第に幅広い発電方式による落札が進みつつある。
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