ペロブスカイトなど「次世代型太陽電池戦略」の進捗状況 普及に向けた新施策も:第10回「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」(2/4 ページ)
新たな産業分野として、今後の普及と発展が期待されているペロブスカイトなどの次世代太陽電池。その普及促進に向けた方針を検討する次世代型太陽電池官民協議会の第10回会合では、2024年11月に策定した「次世代太陽電池戦略」の進捗や、新たな施策の方向性について議論が行われた。
タンデム型ペロブスカイト太陽電池のコスト目標
タンデム型太陽電池とは、太陽光の異なる波長を吸収する、異なる材料を積層させることにより、従来のシリコン太陽電池と比べ変換効率が1.5〜2倍程度向上する次世代型太陽電池の一つである。タンデム型の例として、安価な結晶シリコンをボトムセルとして、これに重ね合わせるトップセルやミドルセル太陽電池として、ペロブスカイトやCIGS(カルコパイライト)等のさまざまな素材の研究開発が進められており、国内ではカネカが、ペロブスカイト/結晶シリコンのタンデム型で変換効率32.5%を達成している。
タンデム型では、発電コストを2030年までに12円/kWh以下、変換効率30%以上、耐久性20年とする目標の実現に向けた研究開発支援が行われており、2030年度までに500MW以上の規模の量産化構想を有する「長州産業」と「カネカ」の2社が、GI基金において採択されている。
ペロブスカイト太陽電池の需要創出に向けた取り組み
国は「政府実行計画」(温対法に基づく、政府の事務・事業に関するGHG排出削減計画)において、ペロブスカイト太陽電池を率先導入することを定めており、政府部門におけるペロブスカイト太陽電池の具体的な導入目標(2035年及び2040年)を2026年夏頃に策定する予定としている。
この目標設定に向けて、政府保有施設の調査を行ったところ、一定の条件下においてペロブスカイト太陽電池の導入ポテンシャルは、屋根:約60MW、外壁:約23MW、窓:約22MW、合計約106MWであると推計された。
なお、官民協議会には現時点、182の自治体、128の民間企業・団体等が参加しており、ペロブスカイト太陽電池の需要創出には、自治体や企業等が保有する施設への導入も重要である。環境省等では、自治体や企業等を対象とした導入補助金(補助率2/3、3/4)や、事前調査・導入計画策定補助金(補助率9/10)等により、ペロブスカイト太陽電池の導入を支援している。
また自治体独自の導入目標として、大阪府では2030年度80MW、2035年度530MW、東京都では2035年度100MW、2040年度200MW、愛知県では2040年度120GW、という目標が設定されている。また東京都では、補助率10/10の補助金を今年度も実施予定としている。
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