日本の関連売上高を2035年に3倍へ 新たな「蓄電池・電源産業戦略」の内容とは?:第8回「蓄電池産業戦略推進会議」(3/5 ページ)
EVや電力系統向けなど幅広い産業における重要技術・製品である蓄電池。世界的な開発競争の激化や国際規制など市場環境の変化が急速に進む中、「蓄電池産業戦略検討官民協議会」は新たな「蓄電池・電源産業戦略」を策定した。
原料となる「バッテリーメタル」の確保に向けた取り組み
蓄電池の原料となるリチウムやコバルト、ニッケルはバッテリーメタルとも呼ばれ、これらの多くは特定の国からの輸入に強く依存している。特に日本が多くの重要鉱物の製錬工程を依存する中国は、近年さまざまな輸出管理を実施するなど、サプライチェーンリスクを抱えている。(※図6は、黒鉛は2022年、他は2023年のデータ)
このため国は、バッテリーメタル等の安定供給確保のため、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に重要鉱物を指定することや、JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)によるリスクマネー出資等により、鉱山権益確保等に対する支援を行っている。
蓄電池産業戦略では、2030年国内製造基盤150GWh、グローバル製造基盤600GWhに対応する資源の必要量が示されているが(表1)、現時点、電池用途ではリチウム3.5万トン、ニッケル4.9万トン等が確保されている。
次世代蓄電池技術の開発
蓄電池産業戦略(2022年8月)では、その「3rd Target」として「次世代電池市場の獲得」を掲げており、具体的には、2030年頃に全固体電池の本格実用化、2030年以降も日本が技術リーダーの地位を維持・確保することを目標としている。
全固体リチウムイオン電池は、高エネルギー密度や入出力特性(急速充電)に優れており、現在、グリーンイノベーション基金等を活用して、2030年頃の全固体電池の本格実用化に向けた取り組みが進められている。
また、先進液系リチウムイオン電池やLFP電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)では、更なる高容量化やコスト低減のほか、ハイニッケル化等の資源調達リスク低減やパワー密度の向上など、多角的な技術開発が進められている。
さらに革新型電池として、資源制約が少ない安価な材料を使用しながらも、高いエネルギー密度と安全性を両立可能な「ハロゲン化物(フッ化物)電池」や「亜鉛負極電池」については、2040年頃の実用化を目指して研究開発が進められている。
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