データセンターなどの系統空押さえ対策 2027年度から「容量開放」「費用精算」を導入へ:第11回「次世代電力系統WG」(1/4 ページ)
データセンターなどの大規模需要家による系統接続申込が増加する一方、確保した系統容量が一部しか使用されない「空押さえ」が課題となっている。政府はその対策に向けて「容量開放」や「費用精算」などの新たな制度を導入する方針だ。
電力広域的運営推進機関では、蓋然性の高いデータセンター・半導体工場の新増設に伴う電力需要の増加を個別計上しており、2035年には、これらの最大需要電力は762万kW、需要電力量は568億kWhに上ると想定されている。
他方、一般送配電事業者各社に対する特別高圧需要の接続供給契約申込容量(2026年3月末時点)は、全国で約2,681万kWに上る(2025〜2029年度連系予定分。事業者が特定される虞があるもの等は除く)。東京エリアの申込容量1,090万kWは、同エリアの2024年度最大需要電力5,699万kWの約19%に相当する規模である。
データセンター等の大規模需要家による系統接続申込が増加する一方、確保した系統容量が一部しか使用されない、いわゆる「空押さえ」も生じており、これが系統接続に要する期間のさらなる長期化を招いている。
このため、次世代電力系統ワーキンググループ(WG)の第11回会合では、データセンター等の系統接続に関する規律確保に向けた、具体的な制度変更案が示された。
系統接続に係る手続き面での「空押さえ」対策
データセンター等の需要家が、一般送配電事業者(一送)に対して系統接続を申し込むプロセスは図2の通りであり、需要家の都合によりプロセスが停滞し系統の容量が長期間確保されたまま(空押さえ)になると、その容量を効率的に運用できず、真に電力が必要な需要家への供給が遅れることとなる。
契約申込みの先着順により、系統接続(連系)の予約が可能であるため、需要家は不確定要素が多い状態であっても契約申込を行うインセンティブが働く。しかし、必要な情報がそろっていないことにより、一送が技術検討に着手できず、契約申込み〜現地調査・技術検討の間において協議が停滞している事例が複数確認されている。
この対策として、契約申込時点で一送が必要とする情報の成熟度を高めさせるため、需要家都合による不備または変更が発生した場合は、契約申込を取り消し、申込書等の修正後に改めて申し込みを行う(待ち行列に並びなおす)こととした。ただし、「軽微な変更」は、発電側の接続申込と同様に許容される。
また、託送供給契約成立(供給承諾)後、需要家が工事費負担金を入金しないことにより、「空押さえ」状態となる事例も生じている。
この対策として、供給承諾から工事費負担金入金までの期限を設定し、期限が守られない場合は、接続供給契約における当該地点の契約申込を解除することとした。この期限は、発電等設備(FIT電源)の場合は「2カ月」以内であることや、需要家は契約者(小売電気事業者等)を介して入金すること等を踏まえ、「3カ月」以内とされた。
なお現在、一送による技術検討結果の回答内容が需要家の希望(申込内容)と一致しない場合、両者間で協議を実施する運用としており、この協議が長期化する場合、工事費負担金期限の起点となる供給承諾日が不明確になるおそれがある。このため今後は、一送が需要家に対して技術検討結果の回答として最短で電力供給が開始できる日を供給開始日として伝える際に、併せて供給承諾の通知も行うこととした。
これらの手続き面の規律はいずれも、特別高圧需要家を対象として、2026年10月1日より運用が開始される。
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