データセンターなどの系統空押さえ対策 2027年度から「容量開放」「費用精算」を導入へ:第11回「次世代電力系統WG」(2/4 ページ)
データセンターなどの大規模需要家による系統接続申込が増加する一方、確保した系統容量が一部しか使用されない「空押さえ」が課題となっている。政府はその対策に向けて「容量開放」や「費用精算」などの新たな制度を導入する方針だ。
契約電力の設定・変更と系統容量の開放・維持
「契約電力」とは、需要家が需要場所に設置する機器(負荷設備)を一覧化し、各機器の定格容量と稼働見通しを踏まえて、最大使用電力を1年単位で設定するものである。契約電力は、需要家が支払うべき電気料金(基本料金)の算定に使用される。
図3のケースAのように契約電力を1つ設定する需要家のほか、段階的な機器の稼働開始に合わせた段階的な契約電力を設定するケースBの需要家もある。ケースBの「段階別契約」であっても、一送は託送供給義務を履行するため、最終的な需要に対応する系統設備形成を行い、系統容量を確保しておく必要がある。
需要家は、契約成立時点で設定した契約内容について、事後的に変更(供給開始日の延期、契約電力を当初よりも低く設定し直す等)を一送に申し出ることが可能であるが、最終的な契約電力に到達後、需要家が契約電力を減少させた場合は、減少分の系統容量は開放される。
ただしケースBでは、最終的な契約電力を維持する限り、途中段階で設定している契約電力を減少させたとしても、系統容量は開放されない。ケースBでは、将来、最終的な契約電力を使用するか否かの不確実性が高い中で、最終的な契約電力に対応した系統容量が確保され続けるため、実質的に「空押さえ」が生じている懸念がある。
契約電力未達による「容量開放」を可能に
このため、既存設備の最大限活用と公平な接続機会の確保という観点から、系統接続の申し込みが多いエリアにおける段階別契約の途中段階の契約電力について、供給開始日の延期や契約電力の減少があった場合、一送はそれによって生じた差分の系統容量を接続待ち需要家のために開放できることとした。図4では青色部分が開放される。
ただし、当初申込時点で設定した供給開始日や契約電力を事後的に全く変更しないことを需要家に求めることは酷であるため、以下は許容される。
- 供給開始日を1年だけ延期する
- 供給開始日の契約電力を当初計画より減少させたとしても、1年以内に再度当初計画どおりに設定し直す
よって図4の場合、2028年に100MWで供給開始を予定していた需要家が、2029年でもなお50MWしか契約電力を設定しない場合、差分の50MWが2030年以降、継続的に開放される。
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