ガソリンへのバイオエタノール導入の進捗状況 政府はアクションプランを更新へ:「次世代燃料の導入促進に向けた官民協議会 商用化推進WG」(第9回)(1/3 ページ)
自動車分野の脱炭素化に向けて、ガソリンへの直接混合などの導入が検討されているバイオエタノール。政府は国内における各種取り組みの状況を踏まえ、2025月に策定した「ガソリンへのバイオエタノール導入拡大に向けたアクションプラン」の内容を更新した。
日本は化石燃料のほぼ全量を海外から輸入しており、今般の中東情勢を踏まえれば、資源・燃料のサプライチェーンの強靱化に取り組む重要性は一層増している。
第7次エネルギー基本計画では、次世代エネルギーの一つとしてバイオ燃料の確保を進め、自動車分野では、2030年度までに一部地域でガソリンへの直接混合も含めたバイオエタノール導入拡大により、最大濃度10%(E10)の低炭素ガソリン供給開始を目指し、2040年度から最大濃度20%(E20)の低炭素ガソリン供給開始を追求することが記された。
この具体化に向けて、資源エネルギー庁の「脱炭素燃料政策小委員会」は2025年6月に「ガソリンへのバイオエタノール導入拡大に向けたアクションプラン」を策定したが、「次世代燃料の導入促進に向けた官民協議会 第9回商用化推進WG」では、その進捗を踏まえたアクションプランの更新が行われた。
なお、官民協議会 商用化推進WGの下に『ガソリンへのバイオエタノール導入拡大に向けたアクションプラン策定タスクフォース』(バイエタTF)が設置され、バイエタTFの下に、「1.燃料品質・車両規格チーム」「2.燃料調達チーム」「3.供給インフラチーム」を組成し、各チームにおいて、それぞれのアクションプランに基づく取組が行われている。
沖縄本島におけるバイオエタノール先行導入の進捗
アクションプランでは、本格導入に向けた課題の洗い出しを行うため、2028年度を目途に一部地域で先行導入を行うこととしており、バイエタTFの燃料調達チームの提案により、沖縄本島が先行導入地域として選定された。
沖縄本島は、過去にもバイオ燃料(E3・E10)の実証を行い、必要な設備の設置と適切な品質確認が行える出荷基地の候補地があるほか、島嶼(とうしょ)部であるため供給地域が明確であり、品質管理に係る技術的検証の実施に適した気候地域であることなどが選定理由とされている。
沖縄県内(離島含む)の保有車両数は123万台、その約8割はガソリン車であり、約300のサービスステーション(SS)が存在する。2024年度のガソリン消費量は約65万kLである。県内のE10対応車によるE10給油割合を50%と仮定した場合、E10ガソリンの年間消費量は約13万kLと試算される。
バイオエタノールは、世界的には、ガソリンに直接混合して利用する形態が一般的であるが、日本では、ガソリンとの親和性が高く、扱いやすいETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)を混合する方式を採用している(参考記事:2030年代に全新車をバイオ燃料対応に バイオエタノール導入拡大案の詳細)。
今後日本でも直接混合する可能性が検討されており、先行導入では将来の拡大を見据えた課題を洗い出す観点から、ETBEではなくバイオエタノールを直接混合する方法で行うこととした。
また、ガソリンとバイオエタノールの混合方法には、出荷基地におけるラインブレンディング、タンクブレンディング、SSでのブレンディングがあるが、今回の先行導入では、海外で主流である出荷基地でのラインブレンディングを前提に検討し、品質管理、サプライチェーン等の諸課題を確認することとした。
2028年度を目途としたE10先行導入に向けては、出荷基地やSS設備の改修が必要となるため、供給インフラチームではSS事業者に対して設備改修に関するアンケート調査を行った。また、先行導入を円滑に進めるため、自治体や関係団体、有識者などで構成する連絡会議の設置を検討中である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


