太陽光を一括りにしない政策を──JPEAが提言する「良い太陽光」の選別支援という処方箋(2/2 ページ)
地上設置型の事業用太陽光を一律に支援対象から外してしまってよいのか。国の太陽光発電政策に対し、太陽光発電協会(JPEA)が提言をまとめた。タイトルは、「良い太陽光を選別して政策的な支援を」。いま進めるべき「良い太陽光」とは何なのか──提言の内容をひもとく。
重視すべき「立地要件・自治体関与・災害対応」
さらに提言は、地域に貢献する「良い太陽光」を判定するための視点として、次の3つを挙げる。
- 設置場所による要件化(一定の要件を満たしている設置場所について要件化)
- 地方公共団体の関与(自治体からの導入の理解や推奨)
- 災害時の重要電源供給(災害時・非常時の電源確保による地域便益の整備)
JPEAは、これらの視点をベースに要件を整理し、地上設置の事業用太陽光であっても、一定の要件を満たす「良い太陽光」に対しては、FIT/FIP制度の継続も含めて、支援を行っていくへきだと訴える。特に、FIPについては、「FIPの最低保証による価格下支え効果が高く、インフレ局面では、低い固定価格が国民利益となり得る」と、その意義を評価する。
太陽光がもたらす「国民の便益」
JPEAは提言の背景として、太陽光発電がもたらす便益を「地球・人類(グローバル)」「国家・国民(ナショナル)」「地域・住民(ローカル)」の3層構造で整理している。地球レベルでは温室効果ガス排出量の削減、国レベルでは化石燃料輸入に伴う国富流出の抑制やエネルギー自給率向上、地域レベルでは地域経済貢献や遊休地の有効活用、雇用創出などが挙げられる。
日本の化石エネルギー依存度は2024年度時点で80.1%、エネルギー自給率は16.3%と主要国の中でも低水準にとどまる。太陽光は燃料調達が不要な国内電源であり、設備さえ導入すれば20年以上にわたり燃料を必要とせずに発電を続けられる。太陽光発電設備のエネルギーペイバックタイムは1〜2年と短く、ライフサイクルCO2排出量は火力発電より大幅に低い。
太陽光発電は、日本の高い化石燃料依存(80.1%)を改善し、エネルギー自給率の向上と脱炭素を同時に前進させ得るものだ。しかも、コスト競争力と長期安定稼働の技術が、すでに確立した電源でもある。一方で、化石燃料依存のリスクは、ホルムズ海峡の現状をみても明らかだろう。
JPEAの提言が投げかけているのは、支援の「量」を絞る代わりに「質」で選別するという発想の転換だ。需要地に直結し、農業や地域コミュニティと共存し、荒廃地を再生する太陽光発電であれば、国としても支援を続ける価値があるだろう。2027年度以降の太陽光政策には未確定な要素も多く、詳細制度設計はこれからだ。JPEAが示した「良い太陽光」への選択的支援が、その議論のたたき台としてどこまで採用されるかが焦点となる。
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