アンケート結果から見る需給調整市場の現状 一部商品で技術要件を緩和へ:第62回「需給調整市場検討小委員会」(2/4 ページ)
電力広域的運営推進機関は昨今の需給調整市場に関する制度改正の影響把握を目的にアンケート調査を実施した。その結果を受けて、一部の商品については技術要件を緩和する方針だ。
アンケート結果の概要:ΔkW以外での活用状況
アンケートでは、需給調整市場の応札リソースについて、調整力以外としての活用状況として、相対契約や卸電力市場等におけるkWh取引状況の確認を行った。
大半のリソースがkWh取引を実施しているとの回答であったが、蓄電池やDRでは需給調整市場のみで活用している事例が複数確認された。需給調整市場のみで活用している主な要因として、「需給調整市場が最も経済合理性に勝る」といった回答が得られた。
また、需給調整市場の応札リソースの供給力(kW)としての活用状況は、水力(一般)や揚水は全リソースが容量市場に安定電源として応札している一方、一部の火力、蓄電池、DRでは、容量市場に応札していないリソースもあることが確認された。
容量市場へ応札していない要因として、火力では「リソースの一部を停止予定であったため」、蓄電池では「設置までの期間が短く市場への応札が間に合わず、応札が可能なタイミングから随時実施を予定」、DRでは「需要都合で常時稼働できるものではないため」といった回答が寄せられた。
一次調整力の技術要件(GF調定率)を緩和へ
アンケートでは、設備能力としては調整力として活用できるものの、現在の各種要件を満たせないために市場への応札を見送っているリソースの存在が確認された。
現在、需給調整市場の一次調整力に対する技術要件の一つとして、ガバナフリー(GF)調定率は「5%」以下であることが求められている。
一次調整力(GF)は中給からの指令に応動するものではなく、周波数偏差に対し発電機自ら出力を増減させるものであり、周波数偏差に対し、GF調定率に応じて出力が増減する。調定率とは周波数偏差とリソースの出力変化量の関係性における傾きを示すものであり、調定率が小さいほど周波数偏差に敏感に応動し、調定率=5%の場合、5%の周波数変動(60Hz系では3Hzの変動)が生じたとき、発電機の定格出力の100%まで変化することを意味する。
なお、調定率は需給調整市場の要件だけではなく、火力・揚水発電等については、グリッドコード(系統連系技術要件)においても要件化されているが、グリッドコード要件化される前に設置・系統連系した火力等の一部は、調定率5%を満たさない電源も存在する。例えば東京エリアにおいてこれがグリッドコード要件化された時期は、火力は2016年4月、揚水は2025年4月である。
GF機能を有しているリソースであれば、調定率が5%を超過していたとしても、出力変化量は相対的に小さくなるものの、周波数偏差に応じて応動するため、一次調整力としての活用は可能である。
既設リソースを調整力として有効に活用することは調整力調達コスト抑制の観点からも重要である。このため、グリッドコード要件化される前から系統連系していたリソースについては、調定率5%以下という要件を緩和し、需給調整市場の一次調整力へ応札可能とした。
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