アンケート結果から見る需給調整市場の現状 一部商品で技術要件を緩和へ:第62回「需給調整市場検討小委員会」(3/4 ページ)
電力広域的運営推進機関は昨今の需給調整市場に関する制度改正の影響把握を目的にアンケート調査を実施した。その結果を受けて、一部の商品については技術要件を緩和する方針だ。
蓄電池の一次オフライン枠に「経過措置」を導入
一次調整力は元々、自端制御(一般送配電事業者から発電機等に対する指令・制御が不要)であるため、応動監視のためだけに高額な専用線を構築することは小規模なリソースの参入の妨げとなるため、専用線を不要とする「オフライン枠」が設けられている。
設備容量10MW以上の蓄電池については、専用線の設置を前提として長期脱炭素電源オークションに参加可能であることを踏まえ、設備容量が1MW以上10MW未満、電圧階級が特別高圧(一部の22kV等)・高圧に限り、蓄電池の一次オフライン枠への参加を認めている。
ただし、安定供給確保の観点から、オンライン監視ができないオフライン枠には、調達量の上限(一次調整力エリア必要量の4%)が設定されており、この調達上限が課される前から系統連系していた一部の蓄電池はこれが制約となり、一次オフライン枠へ参加できない状況が生じている。
既設リソースを調整力として有効に活用することは調整力調達コスト抑制の観点からも重要である。このため、このような蓄電池については、専用線オンライン化工事の申し込みを行い、オンライン監視による一次調整力としての供出が可能となるまでの間に限り、一次オフライン枠への参加を経過措置として認めることとした。専用線オンライン敷設工事完了後は、通常枠で応札することとなる。
蓄電池要件追加による電圧フリッカの防止
蓄電池はその機器設定次第では、周波数変動に対して極短周期で追従するため、電圧フリッカ(照明のチラつきなど)の発生原因となる。
九州エリアの2つの配電系統では、一次オフライン枠として約定し、調整力応動した蓄電池が原因となる電圧フリッカが2025年12月と2026年3月に発生した。これは、自端制御向けの周波数計測に関し、移動平均計測時間幅が当該機器に設定されておらず、瞬時値に追従する仕様であったことが原因の一つと考えられている。
このため今後は、需給調整市場の要件における一次調整力の周波数計測仕様として、「PCSを用いた周波数計測時の移動平均計測時間幅は初期値を0.1秒とし、別途TSOから指定があればそれに従う」ことを定め、電圧フリッカの防止策とする。
なお電圧フリッカは、電力の品質に係る課題であり、需給調整市場への参入有無に関わらず、系統に連系するリソースは一律に対応が必要であるため、グリッドコードでの要件化などについて検討を進める予定としている。
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