排出枠取引市場の基本設計 制度対象者以外の参加は「必要最小限」の方針に:第8回「排出量取引制度小委員会」(4/4 ページ)
2027年度秋頃の開設が予定されている「排出枠取引市場」。経済産業省の「排出量取引制度小委員会」の第8回会合では、同市場における参加者の選定基準や、取引方法などの詳細設計について検討が行われた。
排出枠取引市場の取引方式
市場取引の方式には主に、板寄せ(オークション)方式(JEPXスポット市場で使用)と、ザラバ方式(時間前市場で使用)がある。カーボン・クレジット市場では、流動性などを考慮して板寄せ方式が採用されていることを踏まえ、排出枠取引市場においても、板寄せ方式を採用することとした。
また、カーボン・クレジット市場では、市場開設日数を週5日、節立会(約定処理する時間の区切り)を1日2回(11:30と15:00)としている。
排出枠取引市場の開設当初は流動性が低い可能性があるため、売買注文を集約するため、節立会は1日1回(15:00)とする。市場開設日数は同じく週5日である。
制限値幅は、カーボン・クレジット市場と同様に、誤発注を防止するための必要最小限の措置として位置づけ、適切な価格形成を促進する観点から、基準値段(直近の約定値段)の±90%とする。
中東情勢を踏まえた対応の必要性検討
排出量取引制度では、災害などにより制度対象者の経済活動に大きな影響が生じた場合には、基準活動量などを調整する措置が設けられている。2026年2月末より始まった今般の中東情勢の変化は、一部の事業者の基準年度(2025年度)活動量や、割当年度(2026年度)活動量の減少をもたらした可能性がある。
よって、経済産業省では今後これらの調整措置の発動要否や適用の範囲について、検討を進める予定としている。
さらに、今回の中東情勢においては、他社の減産を穴埋めするため、政府からの要請により、増産対応を行った事業者もあり、このようなケース(図8)は制度設計時点では想定されていないものであった。経済産業省では今後、このようなケースにおける調整措置の必要性について、精査を行う予定としている。
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