急増する低圧系統用蓄電池、分割設置による規制逃れ対策を強化へ:第13回「次世代電力系統ワーキンググループ」(3/3 ページ)
第13回「次世代電力系統ワーキンググループ」では、系統アクセス手続きが急増している系統用蓄電池について、接続検討料を見直す方針が示された。同時に低圧系統用蓄電池についても、分割設置などによる規制逃れなどへの対策を強化する方針だ。
これまでの分割設置対策とその例外規定
電気事業法では、発電などの設備出力の違いに応じた保安規制を措置しているが、高圧以上の設備に求められる保安規制を回避するため、FIT電源だけでなく非FIT電源においても、一つの土地を分割し、低圧(50kW未満)の太陽光発電設備を複数設置する「分割案件」が増加した。
このような発電設備の分割設置は、本来適用すべき保安上の規制を回避する社会的不公平を招き、本来必要のない電柱やメーターなどの設置や一般送配電事業者の管理コストの増加による託送料金の上昇など、多くの社会的な無駄・非効率性が生じる原因となる。
このため、2022年4月に電気事業法施行規則を改正し、柵などで分割されている場合でも、「特段の理由がなく」複数の発電設備を隣接した構内に設置する場合、それらは「同一の構内」に当たると整理し、分割設置を禁じてきた。なお、保安規制も順次強化されてきた。
ただし、再エネ発電推進の観点から、異なる種類の発電設備(例:太陽光と風力)を接した場所に設置する場合についてはその例外としており、発電等用電気工作物の一つである蓄電池についても、この例外規定が適用される状態となっている。
低圧系統用蓄電池の分割設置対策の方針
分割設置に該当するか否かを判断するため、設置場所の登記簿上の地権者の同一性について、現行の運用では接続検討申込み又は契約申込みを行う年度からさかのぼって「1年以内」の状況を確認している(※FIT制度を利用する太陽光発電設備は、2014年度までさかのぼり)。
つまり、申込みの1年以上前に複数名義に分割している場合、分割設置に該当しないと扱われる場合もある。
土地分割を利用した低圧系統用蓄電池急増の現状を見ると、「1年のさかのぼり」では抑止効果が薄いと考えられるため、今後は蓄電設備については、地権者の同一性確認期間を、各種申込みの年度から「5年のさかのぼり」に変更することとした。
また、異種設備に係る例外規定を用いて既設の低圧太陽光発電所などの敷地を分筆して土地を分ける、敷地内に柵などを設けて別の構内を設ける、又は発電所敷地に隣接した土地に低圧系統用蓄電池を設置する、などの事例が急増していることを踏まえ、今後は蓄電設備を例外規定の対象外に変更することとした。
なお図7左のように、既設低圧太陽光発電所などの敷地内に蓄電池を併設することは、太陽光発電などの変動を吸収するなど、系統の安定化に寄与することから、推奨されている。
次世代電力系統WGでは今後、低圧系統用蓄電池の急増に伴い生じる課題について、1事業者が多数の契約申込みを行う事案への対応や、土地所有者と事業実施者との関係についても検討を行う予定としている。
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