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» 2015年10月14日 10時00分 UPDATE

金融や小売の現場で導入が進む「電子サイン」 が紙文書完全電子化へのカギを握る

企業業務のIT化の一環として進められてきた紙文書の電子化だが、現実に目を転じると紙文書は今でもいたるところで利用されて、あまり進んでないのが実情だ。その最たる理由が、契約書などに署名する際にはこれまでに人々が慣れ親しんできた紙が最も好まれたからだ。ただし、「電子サイン」の登場がこの状況を大きく変えることになる。

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紙文書が業務を分断する!

 企業では長年にわたってコスト削減や業務の効率化などを目的として、業務のIT化やワークフローのデジタル化が進められてきた。その一環として叫ばれてきたのが紙文書の電子化である。

 企業には実にさまざまな紙文書が存在する。そこで問題になるのがその管理だ。保管場所の確保から始まり、必要なときにすぐ取り出せるように紙文書にラベルを貼ったり、整理したりといった作業が定期的に必要となる。不要となった文書を処分しようにも、例えば、ホテルの宿泊者名簿帳など、中には法令によって一定期間の保管が義務付けられている書類も多い。これが、さらにコストや工数を増やす原因になる。

 文書を電子化できればこうした問題を解決することができる。加えて、ネットワーク経由で速く、より確実に関係者間で共有でき、業務効率が高まる。法制面でも2005年4月には保存義務のある文書の電子化を認める「e文書法」が施行されるなど、文書の電子化には追い風が吹いている。

 こうしたメリットが語られながらも、紙文書はいまだに企業業務のいたるところで利用されているのが実情だ。

 その理由について、IT調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)の大杉豊アナリストは、「経営層やマネジメント層が紙のレポートを要求する」「契約業務などでは現在でも紙書類が主流で、社内を電子化しても社外とのやり取りでは紙書類をなくすことはできない」「契約書に関しては、裁判に備えて原本を紙で保管する慣例を捨てられない」「紙文書の電子化には、スキャナーなどが必須であるが、作業工数の増加につながり徹底が難しい」といった意見が多いことを挙げる。

 大杉氏は「企業内の業務全体のIT化(デジタルワークフロー)は着実に進んでいるが、上記のような理由により、そのプロセスの一部分で紙ベースの「アナログ業務」が存在し、全体の電子化の足かせになっている」と指摘する。

電子契約の利用状況(出典:企業IT利活用動向調査2015 JIPDEC/ITR 2015年1月実施結果より) 電子契約の利用状況(出典:企業IT利活用動向調査2015 JIPDEC/ITR 2015年1月実施結果より)

 単にアナログの紙文書をデジタルに置き換えること自体は、特別に難しいことではないが、厄介なのは「署名」が必要とされる契約書などの書類だ。この場合、紙にペンで行う方が好まれるため、署名時にはわざわざ紙に印刷するケースがいまだに多い。例えば、システム保守作業の現場などでは、電子化された作業報告書をその場で印刷し、顧客に署名してもらうといったことが今でも一般的で、無駄な作業だと分かっていても、署名が必要となると、紙に戻ってしまうのだ。

 だが、この状況も大きく変わりつつある。鍵となるのは、「ペンタブレット」という機器。手書きのサインを忠実に電子化した上に、筆跡や筆圧、署名時のペンの加速度なども記録できる。そのため、サインの真正性や証拠性を確保することも可能だ。「電子署名」のケースのようにe文書法などといった規定は現段階では存在しないものの、サインをめぐる偽証などの不正行為を未然に防いだ実例もあり、利用の裾野は現段階でも着実に広がりつつあるのだ。

保険業界や小売業界が相次いで採用

 この電子サインの普及をけん引するのが、ペンタブレットで圧倒的な市場シェアを誇るワコムである。電子サインの企業導入は同社が携わったものだけでも右肩上がりの伸びを示しているという。

 では、電子サインとはどのようなものか。同社の液晶サインタブレット「STUシリーズ」がそれを具現化する製品である。専用のサインタブレットとペンを使うことで、電子データに手書きの書き込みが行えるというもので、これにより一連の業務プロセスを完全に電子化できる。ユーザーの用途に応じて複数の製品ラインアップを用意するほか、既存PCに外付けで接続して利用できるため、「すぐに業務のペーパーレス化を実現したい」といった企業には最適なソリューションと言えるだろう。

ワコムの液晶サインタブレット「STUシリーズ」(写真はSTU-530) ワコムの液晶サインタブレット「STUシリーズ」(写真はSTU-530)

 実際に、日本企業での導入や活用も進んでいる。最初の電子サインの企業導入は、契約手続きのペーパーレス・印鑑レスのために、三井住友海上保険が2007年に採用した「電子計上システム」にまでさかのぼる。その後、国内最大のカード決済総合ネットワークであるNTTデータの「CAFIS(Credit And Finance Information)」が、2011年にサイン伝票の電子化サービスを開始。これを機に、「ららぽーと」をはじめ全国で約65施設の運営管理を行う三井不動産商業マネジメントが先陣を切って電子サインを採用し、その後、ほかの商業施設の多くもこれに追随することとなった。

 生命保険業界では、東京海上日動あんしん生命保険やソニー生命を通じて、ほけんの窓口グループなどの保険代理店にも利用が拡大。加えて、半導体製造装置、理科学計測機器、産業機器、医用機器メーカーの保守サービスでもサービス報告書への署名の電子サイン化に乗り出し、今では「クレジット」と「申し込み契約」、「作業報告」の3領域を柱に活用されるようになっているのだ。

三井不動産商業マネジメントでの活用シーン 三井不動産商業マネジメントでの活用シーン

 では、電子サインは企業にどのようなメリットをもたらすのか。まず挙げられるのが、業務効率化である。例えば、三井住友海上火災保険では、契約手続きの過程で入力された各種の契約内容や電子サインが、後工程でもそのまま利用できるようになった。その結果、申し込み用紙の配送や申し込み契約内容の人手による目視チェックなどが業務から一掃されている。

 三井不動産商業マネジメントの運営施設では、クレジットカード利用者のサイン伝票が年間2400万枚に上り、従来はそれらを各テナントから回収して厳格に保管するとともに、クレジット会社からの問い合わせ時には、該当する伝票を手作業で探し当てる必要があった。だが、電子サインの利用を機に、回収や管理の手間が抜本的に軽減され、問い合わせ時にもシステムで即座に検索できる環境を整備した。

電子サインでの契約が当たり前の時代が来る

 業務の短期化を実現したのが、国内で医療画像機器の保守サービスを展開するオックスフォード・インストゥルメンツである。同社では他社と同様、作業報告書の電子化のために電子サインの採用を決断。これにより、時間や場所を問わず作業報告書の提出が可能となったが、副次的効果として、請求書を翌営業日に発行できるようになった。業務に迅速さが加味されたわけだ。

 海外でも採用が進む。スペイン貯蓄銀行グループは、顧客の口座開設申請などのサインを電子サインに置き換え、紙ベースの業務を撤廃してペーパーレス化を実施。成果の一端はコスト削減として表れており、その額は書類印刷費だけで年間3000万ユーロにも上っている。

 このように、電子サインは企業の業務効率化に対して大きな成果を生み出しており、今後は宅配便の受け取り確認など、よりユーザーにとっても身近な方法となりつつあるだろう。ワコムではその利用拡大に向け、システム開発用のSDK(Software Development Kit)を用意している。同社の液晶サインタブレットを、顧客が自らさまざまな業務シーンで利用できるような環境を提供しているのである。

 企業やビジネスパーソンの業務を革新する電子サイン。その未来を皆さんのアイデアでさらに切り開いてみてはいかがだろうか。

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提供:株式会社ワコム
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2015年11月19日

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