勢いがある企業はここが違う 柔軟な働き方で成果を生む“ちょいコア”オフィス移転とは?

「働き方改革」が叫ばれる中、企業のオフィス立地の考え方にも変化が起きている。何が何でも都心部ではなく、ある程度の集積のメリットは持ちつつも、快適なワークスタイルや住環境の良さなどを実現するような“ちょいコア”が注目を集めている。

» 2016年11月14日 10時00分 公開
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 かつて高度経済成長の真っただ中だった日本では“モーレツ社員”が世の中を席巻した。モーレツ社員とは、家庭や私生活を顧みず、企業や仕事のためにすべてを捧げるサラリーマンを表す言葉だ。

 それも今は昔――。特にこの数年で日本人の働き方に対する価値観、考え方は大きく様変わりした。政府も民間企業も「働き方変革」を掲げ、仕事と生活をバランス良く両立することが強く求められる時代になりつつある。

社員の働きやすさを考えたオフィスが増えている(写真提供:P&Gジャパン) 社員の働きやすさを考えたオフィスが増えている(写真提供:P&Gジャパン)

 それに伴い、オフィス立地に対する考え方も変化しつつある。かつては大都市圏の中心部に何もかもが集中していた。ところが、ITの進歩や働き方の見直し、多様性の重視などにより、在宅ワークや田舎のサテライトオフィスなどが脚光を浴び始めた。一方で、まだまだ東京など大都市への一極集中も続いており、ビジネスにおける集積のメリットは色あせていない。最適なオフィスやワークスタイルの試行錯誤は続いているのだ。

 そうした中、オフィス立地について、「集積のメリット」と「快適なワークスタイル」の二兎を追う立地が注目を集めている。ポイントは首都圏や関西圏の中心部(=コア)から、「ちょっとだけ」ずらした立地であること。いわゆる“ちょいコア”立地だ。

オフィス移転で働き方を変える企業が相次ぐ

 既にこのような“ちょいコア”移転をきっかけに、ワークスタイルの変革を目指して多くの企業が次々と行動を起こしている。

 日産自動車は2009年、それまで東京・銀座にあった本社および日本事業関連の主要機能を神奈川県横浜市の「みなとみらい21地区」に移転した。カルロス・ゴーン社長は「これまでは東京本社で十分機能できたが、日産のグローバル事業をより効果的、クロス・ファンクショナルに運営するには、さらに先進的かつ柔軟性のある環境が必要」と語っている。

 インターネット大手の楽天も2015年8月に品川シーサイド(東京都品川区)から、都心と少し離れた住宅街である二子玉川(世田谷区)に本社オフィスを移転した。この狙いは「仕事とプライベートの両立」だ。同社は外国人社員も多く、働き方の多様性がますます求められる中で、オフィスにいながらも私生活をサポートできる環境を用意する方が、結果的に社員の生産性が高まり、ビジネス成長につながると考えた。実際、新オフィスには、スポーツジムや鍼灸、託児所、クリーニング、ヘアサロンなど、さまざまな生活サポート機能を用意している。

 “ちょいコア”移転する企業の狙いはさまざまだが、共通点として多いのが、通勤ラッシュの混雑による社員のストレスを軽減したり、より広いスペースを使って働きやすいオフィス環境を作ったりすることであろう。さらに、賃料コストなどを削減することも可能だ。浮いたコストで新たな価値創造に向けたワークスタイル変革に投資することもできるだろう。このように、少し周辺に立地するだけで、従業員のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は格段に向上するし、好感度の高いエリアであれば、企業イメージアップにもつながるのだ。

 ただし、ここで重要なのが、郊外と言っても電車に20〜30分乗れば都心に出られるような距離ということである。新たなワークスタイルを追求するあまり、都心から離れすぎてしまっては、例えば、営業マンの活動が非効率になるなど、ビジネス面で支障をきたしかねないからだ。移転場所が好感度の高いエリアであることも大切で、それが企業イメージの向上につながる。

 “ちょいコア”ではないが、今年10月1日から紀尾井町(千代田区)に本社を構えるヤフーも、オフィス移転を契機に社員の働き方を見直し、新幹線通勤の導入や週休3日制度の採用などを進めている。そのほかにも、フリーアドレス制を導入したり、社内コミュニケーションを活性化させるオフィス環境を作ったりと、移転によってワークスタイル変革を推進する企業が後を絶たないのが現状なのだ。

神戸で社員の生産性を上げたP&Gジャパン

 洗剤や紙おむつなどを販売する世界的な消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&Gジャパン)も“ちょいコア”を愛する企業の一社だ。

P&Gジャパン ガバメントリレーションズの河合誠雄シニアマネージャー P&Gジャパン ガバメントリレーションズの河合誠雄シニアマネージャー

 1973年に日本でビジネスをスタートしたP&Gジャパンは、1993年に本社オフィスをそれまでの大阪市から神戸市に移した。当時、社員の数が増え、特に家族と一緒に駐在する外国人社員が多かったことで、働きやすさに加えて、生き生きと安心して暮らせる住環境の良さが必要だと感じるようになったからだという。

 元々国際都市として発展した神戸には、外国人学校や医療機関などの公共施設が充実していて、外国人コミュニティーも発達していた。また、海と山に囲まれた自然豊かな街で、暮らしやすさや子育てのしやすさは評判が高い。政令指定都市の中で一人当たりの公園面積が最も広いのも神戸の長所である。とはいえ、神戸の中心の三宮駅から梅田駅(大阪駅)までは電車でわずか20分と近い。また、三宮から神戸空港までは18分で、「関西で最も東京に近いオフィス集積地」と言われているのだ。

 P&Gジャパンが神戸を選んだもう1つの理由は、生産性の高さである。大阪の都心部と比べて神戸のオフィス賃料は安い。賃貸オフィスサービスなどを手掛けるCBREが2015年に行った調査によると、大阪市で坪(グレードA)あたり2万1000円であるのに対し、京都市は1万1490円/坪、神戸市は1万660円/坪と、その差は一目瞭然だ。また、P&Gジャパンの神戸のオフィスで働く社員は通勤時間が30分程度という人が多く、その上、東京では日常的な押しつぶされるような満員電車の混雑はほぼない。通勤費が安く抑えられる上、社員の精神的、肉体的負担も少なくて済み、ピークパフォーマンスを発揮することができる。

 「現在、神戸で働く従業員は1000人以上。彼らが快適に働き、生活する上で神戸のオフィス環境は最適だと感じています」と、P&Gジャパンでガバメントリレーションズを担当する河合誠雄シニアマネージャーは強調する。同社は「ベターライフ、ベターワーク」というビジョンを掲げており、社員がより良く働き、暮らせる環境の整備に力を注いでいる。そこで早くから在宅勤務制度を導入したわけだが、導入時のおもしろいエピソードがある。

 先述の通り、社員は通勤時間が30分程度という人が多く、通勤することにストレスを抱える社員は少なく、最初に在宅勤務を導入しようとした際には、推奨してもほとんどの社員が「会社で仕事した方が便利だから」などと出社してくるという珍事が起きたのである。

 「社員にとってはこうした快適な環境で働くことが当たり前になっています。オフィスに来ることにストレスを感じる人は少ないです」(河合氏)

 P&Gジャパンは今年6月に、本社を六甲アイランドから三宮駅前のオフィスビルに移した。このように神戸に居続ける理由とは何だろうか。

 河合氏によると、上述したような社員が生産性を上げられるようなオフィス&住環境の良さに加えて、地元の自治体である神戸市との密な連携に対してビジネスメリットを感じているのだという。例えば、ちょっとした相談であっても、すぐに企業窓口となっている専任職員が対応し、ワンストップサービスを提供してくれる。以前に増してビジネスにスピードが求められる今、こうした迅速な対応は企業にとって魅力的だと言えよう。

 今後、P&Gジャパンは神戸市とさまざまな取り組みを進めていきたい考えだ。例えば、異業種を含むネットワークをビジネスに生かす機会を検討し、お互いのビジネス成長を図れるようなアイデアを生んでいきたいという。

業界を越えた企業コミュニティーで新ビジネス創出も

 そんな神戸に関心を持つ企業は増えており、今年9月14日には、東京・丸の内にある大手不動産仲介サービス会社、CBRE東京本社で開催された「神戸市オフィス立地セミナー」には、一部上場企業や、東京で事業を始め、西日本への進出を検討する企業の担当者など、約70人が参加した。神戸市の営業開発グループで企業誘致担当課長を務める末若雅之氏は「関西や西日本の中心は大阪、という固定観念にとらわれず、神戸を選択肢に入れてほしい」と強調する。

 神戸には、P&Gジャパンやネスレ日本、アシックス、日本イーライリリー、UCC上島珈琲、ワールド、ファミリアなどの一般消費者向け企業や、三菱重工、川崎重工、新明和工業といった航空・宇宙産業、三菱電機や岩谷産業の新エネルギー分野など、多種多様な産業が集積する。さらには323社・団体(2016年8月末)で8000人以上が働く日本最大の医療産業都市も有名だ。

神戸市 営業開発グループ 企業誘致担当課長の末若雅之氏 神戸市 営業開発グループ 企業誘致担当課長の末若雅之氏

 末若氏によると、神戸の企業は業種、業界関係なく横のつながりがあって、情報交換など定常的にいろいろなコミュニティー活動が行われているという。医療産業都市では月一回交流会が開催され、神戸に立地していない企業にも開かれたオープンな場となっている。神戸市が音頭をとる場合もあるし、各社による自発的な交流も盛んだ。東京のような匿名性の高い巨大都市とは違い、神戸は企業間の交流がしやすいサイズ感であり、しかも各企業や技術の水準が高く、ジャンルも多彩だ。

 こうした企業同士の距離の近さが新たなビジネス創出にもつながる。例えば、川崎重工と医療機器メーカーのシスメックスは、医療用ロボットの技術開発などを手掛けるメディカロイドを合弁で設立した。これも「日ごろのコミュニケーションが大きくかかわっているのでは」と末若氏は述べる。

 また、神戸市は、米国・シリコンバレーのアクセラレーター「500 Startups」のプログラムを日本で初めて誘致するなど、今後は国内外のスタートアップ企業の集積、育成にも力を入れている。ますます産業の垣根を超えた企業間連携が活発になっていくと言えるだろう。

 現在、神戸市では三宮周辺地区の大規模な再整備が進められており、今後このエリアに多くの魅力的な企業オフィスが生まれる予定である。

三宮周辺地区の再整備イメージ 三宮周辺地区の再整備イメージ

 既に阪急電鉄が神戸阪急ビル東館の建て替え工事を進めており、先行して2021年には大規模なオフィスフロアを備えた地下3階、地上29階のビルが竣工する予定だ。また、神戸市では、バスターミナルやホテル、商業施設、業務施設などが入ることを想定した複合ビルの建設を計画している。

 ビジネス競争がますます激しくなる中、企業がさらなる成長を遂げるためには、大なり小なりワークスタイル変革が不可欠だ。その1つとして、社員に健全な生活を送ってもらい、心身を充実させ、生産性を高めるために、都心から少し離れた場所へのオフィス移転は有効な手段と言えるだろう。本社移転、あるいは支店移転先の1つの選択肢として神戸のような街を検討してみてはいかがだろうか。

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提供:神戸市
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2016年12月13日

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