週3日はノー残業 島津製作所が働き方改革で目指すもの社員が輝く職場

「働き方改革」が叫ばれているが、企業の多くは何よりもまず労働環境の是正に力を入れているといった状況だ。そうした中、以前から残業時間を少なくして成果を出し、働き方改革でも先を進んでいる会社がある。島津製作所だ。

» 2018年01月22日 10時00分 公開
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 「働き方改革元年」と言われた2017年。企業では働き方改革によって従業員一人一人の生産性を向上させ、ビジネスの成長や収益の拡大を目指しているが、実際にはまだ多くの企業は残業時間の削減にとどまっているだけという印象は否めない。

 ただし、それに最優先で取り組まざるを得ない理由もある。長時間労働による従業員の過労死などを引き起こしている、いわゆる「ブラック企業」に対して社会的な制裁がより強くなっているからだ。従って、企業の多くは何よりもまず労働環境の是正を働き方改革の第一歩としたのである。

 その一方で、以前から残業時間を少なくして成果を出している企業もある。彼らは働き方改革でも先を進んでいる。その1社が島津製作所だ。

京都市内にある島津製作所の本社 京都市内にある島津製作所の本社

ノー残業デーは週3日も

 島津製作所は、日本が明治の世になって間もない1875年、京都市内の木屋町二条南で創業した。教育用理化学器械で事業を興した同社は、その後、医療用X線装置や光学測定器といった分野にも手を広げて成長を遂げた。現在は質量分析装置やバイオ関連分析装置などの分析計測事業、X線TVシステムや血管撮影システムといった医用機器事業などをビジネスの柱とする。各種産業用機器を開発するれっきとしたB2B企業だが、島津製作所の名が一般の人たちにまで広く知れ渡ったのは、同社の研究者である田中耕一氏が2002年にノーベル化学賞を受賞したことが大きいだろう。

 国内外、グループ会社合わせて従業員数は1万1000人以上、売上高は約3424億7900万円の同社が今、積極的に推し進めているのが、ワークスタイル変革だ。

 同社の改革は10年ほど前にさかのぼる――。

 それ以前は他の多くの会社と同様、同社も「残業は当たり前」「長時間汗水たらして働くことが美徳」といった風潮があり、社員はがむしゃらに仕事に打ち込んでいた。もっとも、それが当時の日本社会では当たり前の光景だったのだ。

 ところが、バブル経済の崩壊などが引き金となり、同社は1990年代に業績が悪化、2000年代に入っても低迷は続き、「選択と集中」の下、希望退職を実施せざるを得なかった。加えて、膨張を続けていた残業代にもコスト削減策の1つとしてメスを入れた。半ば強制的に残業を抑制したわけだが、その後、業績が回復するにつれ、残業をせずとも生産性を高める働き方が社内に自然と定着していったのである。一般社員の月平均残業時間も、07年が16.0時間だったのに対し、16年は7.1時間と大幅に減少している。

 これだけでも立派な数字だと思うが、同社は手を緩めない。目標時間を月5時間に定めていることもあり、17年1月からは定時退社(ノー残業)を従来の週1日から、月、水、金曜日の週3日に拡大するとともに、定時退社日を「リフレッシュデー」として、月曜日ならスキルアップ、水曜日ならヘルスケアと、従業員の能力向上や健康増進につなげようとしている。「例えば、水曜日にはジムに通うなど、各曜日のテーマに沿った取り組みをする社員には福利厚生の一環で補助金を出すことも検討しています」と、同社の働き方改革を推進する人事部門担当の井村公信常務執行役員は話す。

 実際、部署の定時退社が16時50分だというある社員は、退社後にランニングをしたり、柔術スクールに通ったりして、心身をリフレッシュする時間に充てているそうだ。

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