「女の子はこうあるべき」を変えたアニメ「プリキュア」制作現場を支えるクラウド初代プロデューサーが語る誕生秘話

15周年を迎えた人気アニメ「プリキュア」。制作を手掛ける東映アニメーションは、クラウド活用を積極推進中だ。初代プロデューサーの鷲尾 天 執行役員に、アニメの誕生秘話と、その裏側にあったクラウドツール「Box」の活用法を聞いた。

» 2018年07月18日 10時00分 公開
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 「従来の女児向けアニメでは、女の子キャラがピンチになると必ず“王子様”が助けに来ていた。でも私は、そんなアニメ界の常識を変えたかった」――。

 東映アニメーションの鷲尾 天 執行役員(第一映像企画部部長)は、6月上旬に都内で開かれたBox Japan主催イベントでBox Women’s Network (BWN)提供のセッションに登壇。かつて初代プロデューサーとして手掛けた人気アニメ「プリキュア」シリーズを生み出した背景についてこう語った。BWNとは、女性がビジネスでも、また個人としても成長できる環境づくりを推進するBox公認コミュニティだ。

photo 人気アニメ「プリキュア」シリーズ ©ABC-A・東映アニメーション

 「プリキュア」の放送をスタートした2004年、社会における女性活躍はまだ発展途上だった。「アニメ界では、女性キャラはいつも男性キャラに助けられていた。ビジネス界では、毎年女性社員が一室に集められ『今年結婚して辞める予定の人は挙手してほしい』と上層部から告げられる企業があると聞いていた」と鷲尾氏は当時を振り返る。

女の子だって暴れたい

 そんな社会通念を変えるべく、鷲尾氏は「プリキュア」の企画を任された際、「女の子だって暴れたい」とのキャッチコピーを付けた。「女性だって、自分たちで困難を解決できる」との思いを込めたという。

 「女の子たちが、りりしく自分の脚で立つさまを表現したかった。『プリキュア』の登場キャラクターが、魔法のステッキなどを持たずに“徒手空拳”で敵と戦う設定なのはそのためだ」(鷲尾氏)

photo 東映アニメーションの鷲尾 天 執行役員

 鷲尾氏の思いが伝わり、「プリキュア」は日曜の朝アニメの定番として子どもたちに受け入れられた。同タイトルの4〜6歳女児の年間平均視聴率は約39%、最高値は約60%で、年末の恒例番組「紅白歌合戦」の世帯視聴率と同程度の数字をたたき出した。

 変身用のアイテムは、初年度だけで60万個以上売れた。この数字は女児向けの玩具単体としては歴代2位で、現在も破られていない。

 だがプリキュアを世に出して2年が経過したころ、鷲尾氏は翌年以降のプランに迷っていた。同じキャラクターを継続して登場させると、いつかは子どもたちに飽きられると感じたからだ。ただ、親しみがあるキャラを降板させるとファンが離れる危険性もある。

 そのはざまで迷いに迷った鷲尾氏は、主人公を含めた初代のメンバーを“卒業”させることを選んだ。「戦隊ヒーローもののように変身後の名前を継承しつつ、登場人物を一新し、作品そのものをモデルチェンジした」(鷲尾氏)

 その後、プリキュア人気はどうなったのだろうか。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2018年8月24日