エンタープライズ:ニュース 2003/06/13 19:47:00 更新


JXTA 2.1発表、広がる可能性

Sunは今週、JXTA 2.1を発表。またグリッドサービス用のSun Grid Engineなど、ほかの製品にJXTAを追加する可能性を明らかにした。(IDG)

 Sun Microsystemsがピアツーピア(P2P)技術「JXTA」の可能性を広げようとしている。グリッドコンピューティング用ソフトウェアのSun Grid Engineへの採用などが考えられている。サンフランシスコで開催のJavaOneカンファレンスで6月12日、同社の幹部が語った。

 同社は今週、JXTAオープンソースP2P技術の新バージョン2.1を発表した。このバージョンは、ピアネットワークトラフィックのメータリングを特徴とする。SunのProject JXTAグループマネジャー、ジュアン・カルロス・ソト氏によると、同社はグリッドサービスを提供するSun Grid Engineなど、ほかの製品にJXTAを追加する可能性もある。

 「JXTAは、コンピュータが利用可能なときにそれを発見してグリッドに組み込むことができる素晴らしい発見(メカニズム)だ」(ソト氏)

 JXTAはインターネットをまたがって機能し、許可を得てファイアウォールを超える。

 Sunは今週、Java 2 Standard Edition(J2SE)プラットフォーム用のJXTA 2.1で、メータリングとモニタリング、ネットワークピア上のトラフィックとメモリの検知、リモートピアによるその情報のクエリの機能を追加した。

 今週ダウンロード用に無償提供開始されたJXTA 2.1はまた、JXTAパイプサービスのサポートにより、検証済みパケットのピアへの配信を含む、高度なコミュニケーションを特徴とする。ネットワークプログラミングのためのソケットパラダイムにも対応した。

 JavaOneで12日に行われたプレス朝食会で、Sun Labs副社長でSunフェローのジェームズ・ゴスリング氏が、SunはProject Raveなどのツールで、Javaにつきまとっている複雑さを過去のものにしたいと強調した。

 Sunが“Javaの父”と呼ぶゴスリング氏は、「この複雑さとの戦いは完全に常態化している」と語った。

 Javaは複雑なシステムの構築にはいいが、それそのものが複雑だと同氏は言い、Javaの状況をMicrosoftが.NETで提供しているものと比較した。

 「.NETは簡単なことを簡単にし、難しいことを不可能にしている。われわれの場合、複雑なことも可能だが、簡単なことを難しくしている」(ゴスリング氏)

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[Paul Krill,IDG News Service]

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