エンタープライズ:ニュース 2003/07/07 19:29:00 更新


国内進出を果たすAruba、無線LANスイッチ市場が本格化へ

先週開催されたNetWorld+Interop Tokyo 2003では、ワイヤレススイッチ分野の製品が相次いで披露された。米Aruba Wireless Networksの「Aruba 5000 WLAN Switch」もその1つだ。

 NetWorld+Interop Tokyo 2003で、モバイル・ワイヤレス部門のグランプリを受賞した米Aruba Wireless Networksの「Aruba 5000 WLAN Switch」。同社はこの展示会に合わせ、国内でも製品販売を開始するほか、8月1日をめどに日本法人・アルバワイヤレスネットワークスを設立することを明らかにした。5月に米ラスベガスで開催されたNetworld+Interop LasVegas 2003での公約を果たした形だ。

 日本法人の代表に就任する杉本隆英氏は、「無線LANは普及しているように見えて、意外と普及していない。その大きな理由の1つはセキュリティだ。またアクセスポイントの設定項目が多く、導入や運用が煩雑なことも障壁となっている。アルバの製品では、すべてをスイッチに集約することで、これらの問題の解決を図っている」と述べた。

 Aruba 5000 WLAN Switchは、名称のとおりワイヤレス(無線LAN)スイッチに分類される製品の1つだ。モジュールの追加により拡張が可能な専用スイッチ「Aruba 5000」と、IEEE802.11a/b/gの各方式に対応したアクセスポイント(AP)「Aruba 52」、これらにさまざまなセキュリティ機能を提供する専用OS「AirOS」から構成されており、無線LANエリアへの不正侵入を防ぐとともに、認証に基づくローミングやポリシーの適用といった機能を提供する。

Arubaの製品

国内初お目見えとなったAruba 5000とAruba 52

 無線スイッチの分野で競合する製品はいくつかあるが、レイヤ2/MACアドレスベースではなく、あくまで無線のレベルで不正アクセスを検出し、アドホックモードを悪用した情報漏えいまでを防止できることが特徴だ。また、ユーザーごとにステートフル型ファイアウォールを提供できること、リモートからパケットキャプチャを行い、トラブルシューティングを支援するRMONツール「AirMonitor」を搭載していることも他に見られない特徴という。

 また、無線LANの使用状況に応じて、輻輳が生じそうなときには自動的にトラフィックを他のAPに分散させる「セルフ・キャリブレーティング」機能や、APの故障を検出すると、その分のエリアをカバーするために他のAPが自動的に送信出力を再構成する「セルフ・ヒーリング」機能などもサポートしている。

 ただ、AP配置場所の決定などを支援するツールは含まれていない。また他の無線スイッチ製品同様、サードパーティ製のAPを利用することは可能でも、その場合は機能が制限される。不正なアクセスポイントの検出や侵入検出/防御、セルフヒーリングといった機能は、同社製APを導入しない限り利用できない。

 アルバでは富士ゼロックスや三井物産、ネットワークバリューコンポーネンツ(NVC)といった代理店を通じて、8月下旬より製品を出荷する予定だ。Aruba 5000は、最大72ポートの10/100BASE-TXが搭載可能で、価格は348万円から。Aruba 52は9万8000円から。また年内には、8ポート構成の小型スイッチ「Aruba 800」を投入する予定で、こちらの価格は150万円前後を予定しているという。

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関連リンク
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[高橋睦美,ITmedia]