エンタープライズ:ニュース | 2003/08/07 00:16:00 更新 |
Microsoftはどう展開している? SharePoint製品のMS社内事例
SharePoint製品の最大かつ最先端の活用事例といえるのは、Microsoftだ。Microsoftは、WSSとSPS 2003へアップグレードし、スケーラビリティ、サイトのライフサイクル管理、検索効率の向上などのメリットを得ている。
「Microsoft Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMA」では、Microsoftの社内事例が紹介された。Microsoftは、Windows SharePoint Services(WSS)とSharePoint Portal Server(SPS) 2003へのアップグレードを果たし、スケーラビリティ、サイトのライフサイクル管理、検索効率の向上などのメリットを得たという。
Microsoftは、それまでSharePoint Team Services(STS)とSPS 2001を活用し、社内の情報共有を行っていた。その時のSTSサイト数は、トップレベルのもので2万5000サイト、グループごとに独立してホストされたSPS 2001のポータルが75サイトと複雑で膨大だった。
「その中には、すでに運用されていないサイトもあったが、把握する方法がなかった。また、お互いにどんなチームサイトがあるのかも知らない状態だった」と、Microsoft Messaging & Collaboration Servicesエンジニアのジョエル・オルソン氏は振り返る。情報共有の非効率とリソースの無駄を生み、検索効率の悪さを生んでいた。また、スケーラビリティの弱さも展開コストを高めていたという。
これらの問題を解決することとSPS 2003の製品戦略は一致している。「個人、チームサイトから企業ポータルまでをきちんと連携させる」(オルソン氏)というものだ。また、サーバのファーム構成をサポートし、スケーラビリティも確保している。
オルソン氏によると、現在のMicrosoftのサイト数は、7500のWSSサイト(内2000サイトはアップグレード)と、SPS 2003によるコーポレートポータルのほか、200以上のグループ・部門ポータル、3000の個人用サイトとなっている。
「Microsoft Web」と名付けられた中央のコーポレートサイトに、グループポータルがぶら下がり、その下に部門ポータルがくる3階層構造をとった。これらポータル間は、SPSの共有サービスを使い、重複する情報をアソシエイトしている。「この構造をとることで、検索のスコープ、サイトのナビゲーションが劇的に優れた」(オルソン氏)
SPSのスケーラビリティの向上は、ワールドワイドでのトポロジーを簡素化した。サーバファームの拠点を3カ所に集約できた。「サーバファームの場所が多すぎるのもダメだが、1カ所に集約するのもダメだ」(オルソン氏)
米レドモンドのセントラルサーバファームは、チームサイトにWebフロントエンドをWindowsロードバランシングクラスターで4台、SQL Serverのバックエンド3台(アクティブ・アクティブ・パッシブ)を使って構成。ポータルにはWebを2台、共有サービスではWeb2台に加え、検索サーバ2台、インデックスサーバ2台を使用し、SQL Server2台をポータルと共有サービスで利用している。
欧州とアジア地域の構成は、チームサイトにWebフロントエンド2台、ポータルと共有サービスでWeb2台、検索サーバ2台、インデックスサーバ2台が使われている。バックエンドでは、SQL Serverが2台使われている。
個人用サイトの配置に関しては、どこに置くかで議論が分かれたという。「セントラルサイトにするか、リージョンにするか議論があった。結局、物理的に近い方がストレージにとってもセキュリティにとっても良いということになった」(オルソン氏)。議論の結果、所属するドメインごとに置けるようにしたという。
またインデックスについても、議論がなされた。セントラルだけにするか、地域ごとにするかだ。結局は、両方を認めることに落ち着いた。「ヨーロッパやアジアはセントラルとリージョンで2回検索する必要がでてきたが、逆にスコープが得られた」とオルソン氏。
最後に横浜の会場からVPNでレドモンドの「Microsoft Web」にアクセスして見せたオルソン氏は、「SPS 2003の展開の柔軟性の高さとスケーラビリティの高いアーキテクチャ、そしてチームサイトとポータルと緊密な統合によるメリットに期待してほしい」と話を締めくくった。
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Microsoft Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMAレポート
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[堀 哲也,ITmedia]