エンタープライズ:ニュース | 2003/08/11 15:52:00 更新 |
UnitedLinuxがLinuxWorldに顔を出せない理由
有力Linuxディストリビューターが4社がパートナーを組み、華々しいスタートを切ったUnitedLinuxだが、その行く先には暗雲がたちこめている。(IDG)
数多くのLinuxベンダーがサンフランシスコのLinuxWorld Conference & Expoに参加したが、UnitedLinuxは不在だった。
UnitedLinuxはブースもなければ、他のベンダーのブースにパートナーとして参加してもいなかった。
ビジネスコンピューティングに向けて標準化された企業向けバージョンLinux OSであるUnitedLinuxは4社による共同事業だが、その4社のうちの1社であるThe SCO GroupがIBMに対し、SCOが所有する知的所有権をIBMがLinux開発に利用したとして30億ドル分の損害賠償を求めたことにより、困難に直面している。他のUnitedLinuxパートナーはドイツのSuSE Linux、ブラジルのConectiva、そして日本のTurbolinuxである。
SuSEのCEOであるリヒャルト・ザイプト氏はインタビューの中でUnitedLinuxが展示会に出展していないことに触れ、SCOの提訴以降、同社とSuSEの間には「不快な状況」が生まれていると認めた。「たしかに、われわれはSCOとの関係を見直しているところだ」と同氏は述べた。
SuSE LinuxはUnitedLinuxにおける主力パートナーである。
SuSEとUnitedLinuxの将来に関しては、まだ決定していないとザイプト氏は語っているが、SCOがIBMを提訴したことを考えれば、現在のパートナーシップとマーケティングモデルの変更はありうるという。「UnitedLinuxは存在を続けるだろう……顧客が使い続けるかぎりは」とザイプト氏は述べた。
しかし、昨年末にデビューしたUnitedLinuxの最初のバージョンの開発はストップしている。「現在の製品ラインのサポートは続けるつもりだ」と同氏。
UnitedLinuxの次のバージョンは“Powered by UnitedLinux”ではなく、“Powered by SuSE Linux”をすべてのパートナーが使うことになるとザイプト氏。「UnitedLinuxの次バージョンがSuSE Linuxに名称変更されるのは自然な成り行きだ」と同氏は述べた。
SuSEとSCOはUnitedLinuxの顧客に関する話し合いを継続中だが、ザイプト氏によれば、それは「短い会話だ」という。対IBM訴訟については「彼らにやってほしいたぐいのものではない」と述べた。
UnitedLinuxの顧客にとっては、緊張のある関係にあったとしても、OSのサポートとサービスは提供し続けているから問題にならないだろうと同氏は述べている。2002年5月にUnitedLinuxが発足したときの契約では、ベンダー4社がUnitedLinuxの開発に貢献し、標準化された企業向けOSを自社のレーベルで販売すると合意した。
皮肉なことにUnitedLinuxパートナー4社のうちで最初に製品を発売したのはSCOで、それは昨年11月のことだった。その4カ月後、SCOはIBMを訴え、Linuxの販売を終了した。
UnitedLinuxの専務理事であるポーラ・ハンター氏は8月8日、展示会に目に見える形で出展していない理由として「メンバー企業と競合したくないので」と述べた。UnitedLinuxは1月にニューヨークで行われたLinuxWorldにおいてはスポンサーとなっており、展示会のいくつかのパートナー企業に出席していたとハンター氏。しかし、今回の展示会に関しては「公開するプログラムを持っていない」という。
展示会に出席し、ベンダーと顧客に会ったハンター氏によれば、ザイプト氏のUnitedLinuxに関する意見は、彼の個人的な見解だという。現在の契約内容に対する変更は、パートナー企業の同意が必要だとハンター氏は述べた。
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[Todd R. Weiss,IDG News Service]
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