エンタープライズ:ニュース 2003/09/10 18:20:00 更新


OracleWorldでラリー・エリソンとエンジニアたちが一問一答 (1/2)

OracleWorldの基調講演のあと、ラリー・エリソンCEOはたっぷりと時間をとり、聴衆からの質問を受け付けた。スピーチそのものより面白いショータイムだ。

 カリフォルニア州サンフランシスコで開催中のOracleWorld 2003は2日目、キーノートスピーチのため登場したOracle会長兼CEOのラリー・エリソン氏は、会場の聴衆からの質問を受け付けた。ここぞとばかりに聞きたいことを聞くエンジニアたち……、ある意味、スピーチそのものより面白いショータイムだった。

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聴衆からの質問を楽しむエリソンCEO


Q あなたは安価なプロセッサでシステムをもっと発展させられると言いました。そこで質問ですが、これはもっと安価にOracleのライセンスを手に入れられることをも意味しているのでしょうか?

エリソン 安価で高性能なプロセッサを採用すれば、既存のリソースでもっとたくさんのことができます。例えば、現在8台のコンピュータと8つのOracleライセンスで給与計算システムを動かしているとしましょう。プロセッサを変えることで、それが6台のコンピュータでできるようになりました。あなたは新しくOracleのライセンスを必要としません。それだけでなく、余った2台のコンピュータと2つのOracleライセンスで、注文管理システムまで稼動することができます。CRMアプリケーションまで持てるかもしれません。Oracleの価格そのものについての考え方は、近く発表することになっているのでここでは話せませんが、ハードウェアやソフトウェアを再利用、再適用することによって得られるコスト削減は多大なものがあります。

Q Oracle E-Business Suite 11iがLinux上でRAC環境で動かせると聞いたのですが、パフォーマンスの点でそのような両立が可能なのでしょうか?

エリソン 実際、われわれのアウトソーシングビジネスの90%以上がE-Business Suiteで、かつIntelプラットフォーム上で稼動しています。あなたはわれわれが歓迎すべきもう一人のパイオニアというわけです。

Q グリッドテクノロジーをサポートしているハードウェアベンダーは、Dell以外にもありますか?

エリソン Sun Solarisマシン、HP-UXマシン、IBM AIXマシンがサポートしています。

Q それらを混在して持つことは可能ですか?

エリソン 答えはイエスでありノーです。Database Gridは同一環境でなければなりません。しかし、Grid Controlソフトウェアはすべてのマシンを一元的にコントロールできます。つまり、Grid Controlは異機種混在環境でも可能ですが、データベースサーバは同一環境でなければなりません。

Q 現状Linux環境だけで実施されているOracle Masterプログラムを、ほかのOSでも展開する予定はありますか?

エリソン われわれはいつでもサポートすべきOSについて考えています。最初はDECのマシンだけでしたが、次のOS、次のOSとOracleを移植してきました。われわれはOSを限定するつもりはありません。今のところLinuxが特別に魅力的で、それはこのOSは低コストのハードウェアで動き、非常に信頼性が高いからです。データセンターのようなミッションクリティカルな環境で利用されているUNIXも、グリッドですばらしい性能を発揮します。われわれはさまざまなOSをフルレンジでサポートします。

Q 私が言っているのは、トップレベルのデータベーススペシャリスト認定資格であるオラクルマスターのことです。なぜ、Linuxだけに制限しているのですか?

エリソン そんなことはないと思います。たぶんOracle University担当の誰かが訂正するでしょうが、Linuxだけということはないと思います。幾つかのトレーニングがLinuxで行われているということはあるでしょう。Oracle UniversityはLinuxのトレーニングを行っていますから……。しかし、われわれの教育が特定のOSだけに限って行われているということはありません。

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