エンタープライズ:ニュース 2003/11/11 20:43:00 更新

Microsoft Information Worker Day 2003 fall
コミュニケーションからコラボレーションへ〜Office Systemの提案

Office Systemの話題では、「インフォメーション ワーク」という言葉による説明をよく目にするが、その真の意味とは、いったいどういうものだろうか?

 Office Systemを説明する言葉の一つに、インフォメーション ワークがある。Office Systemの導入によるインフォメーション ワークが生産性向上のために役立つことはなんとなく理解できた。だが、具体的にどこへどのような適用を行えば、投資に見合った効果が得られるのだろうか?

 マイクロソフト エンタープライズビジネス部 ビジネスプロダクティビティソリューション本部 エクゼクティブアドバイザー 西賀 与一氏は、ワークスタイルの変化と、社内業務における三点に的を絞って説明する。

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マイクロソフト エンタープライズビジネス部 ビジネスプロダクティビティソリューション本部 エクゼクティブアドバイザー 西賀 与一氏。


 企業におけるITインフラの成熟度を図るとき、次の4段階を経ると考えてみよう。まずネットワークの導入、次にファイル共有、その次に電子メールの導入、そしてグループウェアの導入である。

 総務省およびマイクロソフトの調査によると、現在従業員数が1000名を超える企業のうち、約90%がグループウェアの導入までを完了しているという。これを見ると、企業におけるITのインフラはすでに整っていると考えてよい。こうした状況では、当然ながらワークスタイルもそれぞれの段階に見合ったものへと変化していく。「個」から「共同作業」へ、つまりコミュニケーションからコラボレーションへ、となる。

 こうしたワークスタイルをきちんと把握して、それに応じた改善、投資を行うことが、生産性向上への近道となる。

 次に、日本能率協会総合研究所が行ったインフォメーション ワークに関する企業内の実態調査をもとに、西賀氏は次の三つの問題点を洗い出した。

  • 社内共有ができない紙の文書が多く、無駄が省けない
  • 社内便やFAXといった連絡手段が根強く残っており、素早い対応が望めない
  • 社内の情報ソースが紙または人ベースで、すべての人が情報を共有し質の高いアウトプットをすることが困難

 これらがいわば、新しいワークスタイルへの課題であり、これを解決することが、人と人とをつないで作業の質を向上させる、これからのインフォメーション ワークになっていくという。

 西賀氏は、これらに対するマイクロソフトの取り組みを紹介した。まず前者については、「Microsoft IPA(Indivisual Productivity Assessment)」である。これは定点カメラなどで個人のワークスタイルを測定・分析し、その改善余地を数値化(可視化)してアセスメントするサービスだ。すでに同社のWebサイトでは東洋ゴム工業などの事例が掲載されており、一定の効果が報告されている。

 そして後者の課題については、ITを活用した解決方法が提示された。それが、Office Systemである。

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Exchange Server 2003とSharePointテクノロジーによって、迅速かつ無駄のない情報アクセスが可能となる。


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Officeをフロントエンドとして、SharePointテクノロジーやLive Communications Serverを組み合わせることで、質の高いアウトプットが可能となる。


 西賀氏は、Office Systemがもたらすコラボレーションによって、こうした企業内の課題が改善できるとし、コミュニケーションからコラボレーションへの移行の意味を、次のような言葉で説明した。「コラボレーションは、自分のノウハウと他人のノウハウが循環するシステム。つまり『学ぶ組織』であり、これこそがまさにインフォメーション ワークと呼ぶべきものである。」

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[柿沼雄一郎,ITmedia]