エンタープライズ:ニュース 2003/11/12 09:57:00 更新

Microsoft Information Worker Day 2003 fall
Office SysetemがXMLで変えるワーキングスタイル

XMLに本格対応したOffice 2003は情報をつなげる。XMLが利用しやすい形で、エンドユーザーのそばにやって来ることにより、繰り返されるデータ入力など無駄な間接作業の時間が減るという。

 「インフォメーションワーク」という言葉を定義し、働き方の質の向上を提案するマイクロソフトのOffice System。冷たい秋雨が降る11月11日、都内ホテルで開かれた「Information Worker Day 2003 fall」では、「情報がつながる」という切り口から次世代のインフォメーションワークの世界が示されている。

 XMLに本格対応したOffice 2003は情報をつなげる。XMLは、アプリケーション統合、システム連携といった用途で期待され、活用が進みつつある一方で、エンドユーザーにとってはこれまで遠いところにあった。エンドユーザーのフロントとなるOffice 2003はこれを取り込み、利用者が意識しないで利用できるようにしている。

 講演を行った佐藤正浩氏(ビジネスプロダクティビティソリューション本部エンタープライズビジネス部エグゼクティブアドバイザー)によると、基幹業務システムを利用する「定型業務」と、個人のPCなどに依存する「非定型業務」の間には非効率という名の壁があった。Microsoft IPAというワークスタイルアセスメントサービスの例をみると、企業内の文書作成業務は基幹業務システムのデータを頭に記憶してExcelに打ち込んだり、手元の帳票を見ながら打ち込んでいる実態が浮き彫りになっているという。Microsoft IPAでは従業員の働き方をビデオ撮影しながらワーキングスタイルを数値化して明らかにしている。

 「こういったケースは特別なことではない」(佐藤氏)

 オフィスの中には生産性の向上の余地はまだまだ残されている。XMLを使えばこういった部分を改善できるという。Office 2003の新アプリケーションとして登場したXMLオーサリングツール「InfoPath 2003」は、XMLを駆使してXMLベースの入力フォームを作成できるほか、XMLによりデータを吸い上げてビューを替えながら利用できるようにする。使い慣れたOfficeのほかのアプリケーションを使う感覚で利用できるので、なじみやすいのもメリットだ。

 Webシステムで問題になりがちな、操作性が悪い、手元にデータが残らず再利用ができない、ネットワーク接続が前提、といった問題も、XML対応のInfoPathであれば、リッチなインタフェースで直感的な入力ができ、入力データは手元のPCに残る。オフラインでの利用もできる。

 早期導入企業の臨床検査会社エスアールエルでは、これまでメインフレームに蓄積してきたデータをもとに報告書を起こしていたが、InfoPathを利用して報告書を電子化、検査情報と報告書のデータを一元的に利用できるようにしているという。

 佐藤氏は、定型業務においてはネットワークに依存しない業務システム利用を可能にし、転機・再入力といった無駄を回避、非定型業務では業務システムに入力した生のデータを個人や部門で共有して再利用可能なことから、「無駄ともいえる間接作業の時間を減らし、顧客に対面する直接の営業時間が増えることになる」と話している。

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[堀 哲也,ITmedia]