エンタープライズ:ケーススタディ 2003/12/01 23:31:00 更新


IT People:マーケティングとITの融合、e-ビジネスの戦いはこれから

e-ビジネスにおけるマーケティング戦略などのコンサルティングを手がけるメンバーズの加藤麻衣子氏に話を聞いた。
名前 加藤麻衣子(かとう まいこ)さん
職業 リレーションシップ・マーケティング・ソリューショングループ マネジャー
所属 メンバーズ
出身地 新潟県上越市
インターネット業界では珍しい日本大学芸術学部放送学科出身という同氏。だが、卒論が「21世紀に勝ち残る小売店戦略」であることからも、コンサルティングへの志向があったことが分かる。「将来的には自ら起業したい」と話している。

 e-ビジネスにおけるマーケティング戦略などのコンサルティングを手がけるメンバーズの加藤麻衣子氏に話を聞いた。

 マーケティングをバックグラウンドに持つ同氏は、インターネットをよりビジネス的な視点から捉える。ブロードバンドやWebサービスなど、コンセプトにテクノロジーがようやく追いついてきた感もあるe-ビジネスにおいて、今後は収益モデルなどの仕組みをいかに上手に構築するかがポイントになる。

過去

 1995年、小売業などの新規事業立ち上げや業務コンサルティングを行うベンチャーリンクに新卒入社。銀行において営業成績のいい担当者のワークスタイルを見つけ、標準化するという業務を手がけた。その後、2つ目のタスクでは、小売やガソリンスタンドなど中小規模の経営者に、ビジネスのフランチャイズ化などを勧めた。

 ちなみに、売れる営業担当者の姿は、必ずしも、いわゆる口がうまい人や人に好かれる人ではなかったという。大切なのは、買ってくれる顧客かどうかを目利きする能力。これを、個人のカンによるものとは捉えずに、分析して標準化していったという。

 銀行のケースでは、その顧客が予定している製品の導入時期や予算、系列企業、主な取引先などを調べることで、顧客の特性を見抜くことができたという。例えば、「顧客の系列企業が儲かっていれば、資金の回りを期待できるため、買ってくれる可能性が高くなる」と判断できるわけだ。

現在

 メンバーズのリレーションシップ・マーケティング・ソリューショングループでマネジャーを務める。

ZDNet メンバーズの主なサービスについて教えてください。

加藤 メンバーズは顧客企業のe-ビジネスやブランド戦略の立案、マーケティング支援、またWebシステムの開発なども手がけています。例えば、メールによるマーケティングをリアルな店舗と組み合わせることで、顧客企業のブランド力を向上させ、最終的に利益の増加へとつなげていくことを目指します。

 これまでは、B2CをベースとするマーケティングやCRM戦略の立案を主に行ってきましたが、今後は企業間取引をスムーズに行うためのB2Bマーケティングの領域に力を入れていく予定です。

仕事のやりがいは?

 「インターネット、e-ビジネスの登場により、リアル店舗のみの状況と比べて、買い手と売り手のパワーバランスが変わってきます。今後はますます、マーケットについてあらゆる要因を調べ上げた上で、いかに売っていくかを考える必要があります。状況に応じて、売り上げのキードライバーを見つけながら、マーケティングとITを融合させるような取り組みをしなくてはなりません。

 その上で、顧客への提案を行い、実際に売り上げが伸びるなど、成果が見えたときはやりがいを感じます。また、顧客企業の各組織のミッションを決定づけたりできることにも責任を感じています。」

ITに関わっていてやめたいと思うとき

 「肩こりに悩まされているので解消したい。」

注目の技術

 「Webサービスです。マーケティングを行う上で、多くの企業で問題になるのが、顧客データがバラバラに存在していることです。これをXMLでデータ間を簡単に連携できるWebサービスには非常に注目しています。ITと実ビジネスを結びつけるというテーマを実現する上でも重要な技術と考えています。」

休日の過ごし方、趣味など

 「土日も仕事をしていることが多く、趣味のようになっています。それ以外では散歩をしたり、銀座や麻布、目黒などに飲みに行ったりします。」

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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]