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2004/01/28 18:45:00 更新


ボーランド、.NET普及促進をするDelphi 8日本語版を2月19日に発売

WinFXへ通じるソフト開発インフラを手に入れたい。Windowsに関わるソフトウェアベンダーが、開発者のスキルと天秤にかけて悩む問題の1つだ。その解決策の1つ、今すぐに可能な互換性を備える新版RAD「Borland Delphi 8日本語版」が発売される。

 「.NETベースでの開発は明日の課題であり、今すぐに取りかかる必要はない。そう思われてきた土壌には、今の開発と高い互換性保証をするツールが整備されていなかったためだ」。そう記者会見で、ボーランド、マーケティング部長の藤井 等氏が語る。

 藤井氏によれば、ソフトウェア開発者からは、既存のスキルを生かしたいという意見が多く、「土壌さえ整えば今すぐにでも取り入れるつもりだ」と聞くという。この次世代ソフトインフラへのハードル認識こそが、ボーランドが受け止めていた課題だ。

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現行のスキルを生かしながら.NETへと取り組めるのが強み、とボーランド、マーケティング部長の藤井 等氏


 ボーランドは、開発ソフトウェアの新製品「Borland Delphi 8 for the Microsoft .NET Framework」日本語版を2月19日から発売する。今回の新版で最も大きな点は、従来(Delphi 7)までのコードを、ほぼそのままで.NET Frameworkへ乗せ替えできることにある。

 Windowsアプリケーションの開発者にとって、従来までのWin16からWin32、そして次世代WinFXへと移行していくためには、そのAPIをいつ受け止めるかが問題だろう。「Delphi 8日本語版は、そのキッカケになる」と、藤井氏は自信を見せる。

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Delphi 8日本語版上のWinFormベース作成デモ


 WinFormアプリケーションの開発にもすべてマイクロソフトのコントロールに準拠し、ユーザーコントロール、ActiveXコントロールなどがサポートされる。ADO.NETにも同社独自のBDP(Borland Data Provider)for .NETが一躍買う。

 また、データベースに関わる開発では、従来までのVCL(Visual Componet Library)を基に、.NET Framework対応させたVCL for .NETを実装するなど、過去となる資産を生かすことが可能だ。WebアプリケーションのフレームワークASP.NETにも対応されている。

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ボーランドが.NETとJava両方に取り組むスタンスも語られた


 「今回のDelphi 8発売を機に、.NET開発の普及が促進されるはず」と藤井氏。ボーランドではセミナーなどに合わせ、今後マイクロソフトとの共同プロモーションを行う。

 1月29〜30日まで東京コンファレンスセンター品川で開催される「デブサミ 2004」では、Delphi 8日本語版が初披露、以降、2月25〜27日まで開催の「Borland Conference Tokyo」では.NETに関するセッションを多数用意、そしてマイクロソフトからのキーノートも予定されている。会場では、BorCon特別セールとしてDelphi 8日本語版が50%オフで販売予定とのことだ。

 また、3月からはボーランドのサイト上で「Delphi 8 Webセミナー」と呼ばれるオンラインセミナーを開催する。

 価格は以下の通り、発売キャンペーンとしてArchitechパッケージに通常バンドルされるパフォーマンス解析ソフト「Optimizeit Profile for .NET」がProfessional、Enterpriseパッケージにも含まれる。

  • Borland Delphi 8 Professional 日本語版(68,000円)
  • Borland Delphi 8 Enterprise 日本語版(300,000円)
  • Borland Delphi 8 Architech 日本語版(360,000円)
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