インタビュー
2004/02/05 11:37:00 更新

戦略面ではいつもほかのベンダーに勝っている――エンテラシスのコス執行副社長
エンテラシスのセールス&サービス部門をワールドワイドで統括するコス執行副社長。基調講演では触れられなかった部分について話を聞くべく、同氏の昼食に同席した。
エンテラシスのセールス&サービス部門をワールドワイドで統括するコス・サンチューロ執行副社長。基調講演を終えた後も、パートナーとの挨拶に追われ、非常に忙しそうに会場を歩き回る。そんな同氏に話を聞くため、同氏の昼食に同席した。
コス氏といえば、IBMやEMC、最近ではSonicwallでもその腕を振るった人物で、アジア地域の知識も豊富に有する。非常に気さくな人物で、忙しい時間を縫ってインタビューに応じてくれた。

ITmedia どうぞよろしくお願いします。
コス タイゾウっていうの? 発音しやすくていいね(笑)。
ITmedia 今回の発表について質問させてください。「Secure Networks」を一言でまとめるとどのようになりますか?
コス ネットワークの外からソリューションを追加するものではなく、ネットワーク自体をセキュアにしてしまうアプローチ、これがSecure Networksだよ。
ITmedia Secure Networksを導入することで、ネットワーク上の脅威はどれくらい減らせると思いますか?
コス Secure Networksは信号機と一緒だよ。これによって多くの人は従うだろうが、一部は従わないものもいるだろう。でも、高度に発達した社会で道路に信号機がないと困るように、この仕組みを作ることはとても大事なんだ。ネットワーク上の脅威というのは、毎日の様に新しいものが生まれてきているが、Secure Networksはそれらの脅威のほぼ全てから顧客を解放してくれるだろうね。
ITmedia 話は変わりますが、コスさんは20年ほどIBMで働いていたんですよね? 日本にいたこともあると聞きましたが?
コス そうなんだよ。1995年から1997年の2年半ほどアジア地域を総括するマネージャーとして日本にいたんだ。その時は西麻布に住んでたよ。私はもちろん、妻も子供も日本がとても大好きなんだ。日本を離れるって言ったら妻が怒ったくらいだよ。
ITmedia IBMの企業文化とエンテラシスのそれはどう違いますか?
コス IBMは多くの社員を抱える大企業で、それと比べるとエンテラシスは小さなものだ。しかし、だからこそエンテラシスは大企業では成し得ないようなスピードでビジネスを進めようとする企業精神を持っている。
ITmedia 優れたソリューションを持っていても、それを市場にアピールできなければ意味がなく、掛け声だけで終わってしまいます。今後、市場に対してどのようにアピールしていくつもりですか?
コス Secure Networksの全てに対して責任を持つ人間を上級副社長としてエンテラシスに招いた。シンシア・ガラントという女性なんだが、彼女がSecure Networksというひとつのコンセプトの元、戦略、コンサルテーションなど、市場への啓蒙活動も含めて専任で担当することになっている。
ITmedia 特にどの業種について、このソリューションを販売していきたいと考えていますか?
コス 現状でも私たちが多くのインストールベースを持つ、教育関係、政府関係、医療に対して提案していきたい。そのほか、大手の銀行もだね。すでに5大銀行などにも声を掛けていて、そのうち4行が私たちとの接触を持っている状態だ。
ITmedia 今回発表した「Secure Networks」を引っさげ、ネットワーク業界において、どのようなポジションを狙っているのですか?
コス ネットワーク業界のポジションがどうこう、というより、セキュリティの重要性を顧客に気づいてもらいたいね。エンテラシスがこれまで培ってきたネットワークの技術と知識は非常に膨大なものだ。ネットワークを熟知したエンテラシスが、Secure Networksという新しい価値観を伴うソリューションを提案する、この2つがDNA、つまり2重螺旋のように絡み合って作用することで、ネットワークには自立的なセキュリティを、顧客には新しい価値観を持たせることができるだろう。
ITmedia Ciscoとの戦いにはいつごろ勝てそうですか?
コス いつ? 戦略面でいえば、いつもエンテラシスが先んじているよ(笑)。もちろん、売り上げだけで見ればそうではないけどね。M&Aを繰り返すことで得た技術というのはそうたやすくは己の血肉にならないもんだよ。それに対してエンテラシスは、基本的には自社の技術を進化させたものを顧客に届けている。しっかりとした戦略を持ち、それに技術も追随しているというのは、この上なく強いと思うよ。
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[西尾泰三,ITmedia]
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