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2004/02/17 19:40:00 更新


NC 2004開幕、OpteronでAMDとの関係を深めるサン

17日に開催された「Network Computing 2004 Spring」。サンのビジョンが発表されると共に、ハードウェアからのアプローチが相次いだ。

 サン・マイクロシステムズ代表取締役社長のダン・ミラー氏は、17日に開催された「Network Computing 2004 Spring」(NC 2004)の壇上に立ち、本カンファレンスの位置づけと同社の最新動向についてを語った。

 冒頭でミラー氏は、「このNetwork Computingのために数年前から準備を進めてきた。基調講演を行うデイビット・イェン、スティーブ・キャンベルは開催に向け何度も来日している」と、意気込みを見せた。「Network Computing」は、今後各国で四半期ごとに行われることが2003年に発表された同社主催のカンファレンス。サンのイノベーションや、統合化されたストーリーを語ることが目的となっている。

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NC 2004開幕を告げるミラー氏


 さらに、18〜19日に開催する「Java Technology Conference 2004」(以下、JCT 2004)についても触れ、「サンにとって、中核なのはデベロッパーだ。明日、明後日はこのためのセッションを多数用意した」とミラー氏。

サンが取り組む複雑性簡素化のためのイノベーション

 サンが取り組むテーマの1つとして、N1によるデータセンター複雑性の簡略化実現がある。Network Computing 2004 Springでは、すべての講演にN1が関わっていたほど中核となっているものだ。ミラー氏は、「先ごろSun Java Systemを提供したが、イノベーションを市場へ訴えると同時に、コンセプトだけではだめなのだと認識している」と、具体化された製品をカンファレンスで多数披露することも表明した。

 昨今のネットワークウイルスに対しては、一部の米国誌では感染病のようだと報じられていると触れた。「もはやセキュアなソリューションは必須事項であり、サンはこの観点からもTrusted Solarisを始めセキュアに対し妥協をしない」と語る。そして「直近のウイルス騒動でもサンのサーバが落ちたなど、いっさい聞いていない」と自信を見せる。

 一方で、コストにも関わるエッジコンピューティングへの取り組みも重要視しており、日本AMDとの提携戦略でバリエーションが増え、戦略をいっそう明らかにしたという(関連記事)。そう強く印象付けるように、基調講演には日本AMD、取締役の吉沢俊介氏が招かれた。ミラー氏は「2004年こそ64ビットコンピューティングの幕開けだ」と吉田氏へとマイクを渡す。

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スケールアップだけではなくスケールダウンにも注力する。Opteronは、より幅広い層に満足してもらうための選択肢だという


 吉沢氏は、これまでに64ビットと騒がれてきたもののなぜ浸透しなかったのだろうか? と市場について問い、次のように言及する。

 「64ビットへの以降では、エンドユーザーが何を求めているのかが重要だと考えている。Opteronはマーケットリサーチを何回も繰り返したプロセッサ。そのリサーチで得た結果からは、64ビットコンピューティングに求めるものとして、パフォーマンス、そして今までの投資を無駄にしないでほしい」という2点が多かったと語った。

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今後、4ウェイ、8ウェイへとスケールアップすることが示された


 ミラー氏は、基調講演の最後に「テクノロジーとイノベーションに注力しているのは、IT業界でもはやサンとIBMだけだ。そして、特にイノベーションにこだわっているのはサンだけなのだ」と、サンの進むべき道が揺るぎないことを強調した。

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[木田佳克,ITmedia]

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