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2004/02/18 16:10:00 更新
マーズ・ローバを追い風にしたシュワルツ氏、日本でも高いJava Desktop Systemへの関心
昨年開催のSunNetwork 2003でひと足先に発表されていた「Sun Java System」。そのプロダクトの1つJava Desktop Systemが、シュワルツ氏の基調講演でどのように紹介されるかが見物となった。
Sun 3daysの2日目になる18日、東京・ホテルニューオータニでサン・マイクロシステムズ主催のカンファレンス「Java Technology Conference 2004」が開幕した(Sun 3daysレポート)。本カンファレンスは、Javaデベロッパーに向けたセッションを多数揃え、19日(木)まで行われる。
18日の基調講演には、国内初登壇となる米Sun Microsystems、ジョナサン・シュワルツ執行副社長が迎えられた。同氏は先ず国内のJavaデベロッパーを歓迎し、「これだけの来場者を迎えられたことはコミュニティがグローバルになった証だと感じている。日本はとても重要な存在だ」と語った。さらに、Javaの方向性として今後もビジネスチャンスを増やすべく、サンのイノベーションは止まらず革新し続けるのだと明言した。
さらにシュワルツ氏は、「Javaを取り巻くイノベーションは、予測可能な物であってはならない」と語り、Javaの当初の構想がデスクトップ上でインタラクティブな形態だったことを振り返る。それが今では当初想像ができなかったデバイスがつながるようになり、デベロッパーを取り巻く環境は様変わりしているとコメントした。
その一方で、昨今、米国ウォール街での批判についても語り「なぜSunがそれほどまでJavaへこだわるのかが分からない、Javaを手放すべきだ」との声があることにも触れた。しかし、シュワルツ氏からは、現在では200以上ものケータイでJavaが搭載され、基幹システムでも利用され始めている。イノベーションが進み、コンテンツが作られるほどに価値が高まるのだと揺るぎない面を見せた。
市場からのフィードバック参考として、sun.java.comサイトのJDKダウンロード数も挙げられた。月ごとに増していくダウンロード数は、2003年11月から前月比で倍増、2004年1月には7万ダウンロードを記録していることを報告した。
マーズ・ローバーを追い風にしたJava Desktop System
2003年9月開催のSunNetwork 2003 San Franciscoでもインパクトがあったように、Java Desktop Systemの紹介には趣向を凝らすのだろうと予想があった(ITmediaレビュー記事)。
シュワルツ氏は、Java Client GroupエンジニアのHideya Kawahara氏を壇上に招きデモを行った。Kawahara氏はまず最初に処理が重いと思われがちなJavaが、クライアントでこんなにも軽いのだとアピールし、標準のデスクトップからウィンドウマネージャの一種「Looking Glass」へと切り替えた。デモでは、その軽快な動作からのウィンドウ操作が披露され会場が沸く。そして、シュワルツ氏が今回のために用意したのは、1月に成功を収めた火星探査機マーズ・エクスプロレーション・ローバーだった。
Kawahara氏は、JPLで使用されているものと同等のJavaアプリケーション「Maestro」をJava Desktop System上で動かし、マーズ・ローバーの進路決定にJavaが用いられていることを挙げる。さらに、ムービーやCDなどを再生し、Windowsとまったく褐色がない点をアピールした。
シュワルツ氏は、Javaが活躍する場はエンタープライズの領域だけでない。デスクトップの世界ではインタラクティブ性が追求できるのだと可能性を示し、Javaデベロッパーへのメッセージとした。
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SunNetwork 2003 San Franciscoレポート
関連リンク
Sun 3daysレポート
[木田佳克,ITmedia]
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