特集
2004/03/17 16:55 更新
特集:第1回 プログラミングレスを実現するexteNd Composer (5/5)
exteNd Application Serverへのデプロイ
作成した郵便番号検索サーブレットをブラウザや他のアプリケーションから利用するためには、アプリケーションサーバ上で郵便番号検索サーブレットが動作する必要があります。今回はexteNd Application Serverに郵便番号検索サーブレットをデプロイし、ブラウザからアクセスして実行環境での動作を確認します。
exteNd Application Serverを起動します。画面20のようにexteNd Application Serverのビルドナンバーが表示されれば起動完了です。
作成したサービスをexteNd Application Serverにデプロイするには、Composer Designerでデプロイリソースを作成する必要があります。このデプロイリソースは、サービスの公開形式やインターフェイス、呼び出し用のURLやスタイルシートの指定など実際の運用に欠かせない設定が数多く含まれています。
Composer Designerのカテゴリペインのいちばん下に位置する「Deployment」を右クリックし、ポップアップメニューを表示し、「New…」を選択するとデプロイメントリソース作成ウィザードが起動します(画面21)。「Name」フィールドに「MyZipService」と入力して「Next」をクリックします。次の画面以降はすべて標準のままでクリック、最終画面では「Finish」ボタンを押せば完了です。
デプロイメントリソースが正常に作成できると、Composer Designerの画面には「Deployment Profile」のツリーが表示されます(画面22)。このツリーをよく見ると、exteNd Composerで何が作成、管理できるのかがよく分かります。また、このツリーは3つに分類されていますが、そのうちのひとつ「Service Triggers」に分類されているものは、すべてexteNd Composerで作成したサービスを呼び出すためのトリガです。
したがってexteNd Composerでは、いちど作成したサービスでSOAP呼び出しはもちろん、サーブレットやJSP呼び出しからタイマーによるプロセス起動やファイル監視やEメール着信による起動、といった非常に幅広い利用法が可能なのです。今回作成した郵便番号検索サービスはサーブレットとして呼び出すので、「Servlet」上で右クリックし、「Create Service Trigger…」を選択します。
表示されるダイアログで対象サービスが「WSGetNearbyZipCode」であることを指定すると、Servlet Triggerの下に「WSGetNearbyZipCode」が表示されます。ここでは画面右側にプロパティが表示されるので確認します。今回はXSLファイルをスタイルシートとして利用するので、「Output MIME Type」にXHTMLを、Stylesheet ResourceにはMyZipCodeStyleを指定します。設定が完了したらツールバーのSaveボタンをクリックし、「MyZipService」デプロイメントリソースを保存します。設定が完了した「MyZipService」デプロイメントリソースは、画面23のようになっています。
デプロイメント リソースの設定後には、Composer Designerの「File」メニューから「Deploy Project」を選択します。デプロイウィザードが起動するので、DeployボタンをクリックしてApplication Serverにデプロイします。次に、画面24のようにApplication Serverからユーザー名とパスワードが要求されるので、インストール時に設定した値を入力します。ブラウザが起動し、サーバサイドデプロイが始まります。
最初の画面はユーザー名の確認ですが、先ほど入力した値が設定済みのため「Next」ボタンをクリックして先に進みます。次の画面はアプリケーションをデプロイするDB(データベース)選択です。ここでは、あらかじめ設定されている「SilverMaster50」のままでよいため、「Next」をクリックします。最後にデプロイするアーカイブファイルのパスが問われるので、ブラウザ画面上で斜体になっている部分を選択してコピー、テキストボックスにペーストします。そして「Finish」ボタンをクリックすればデプロイ作業が完了です。
いよいよ作成した郵便番号検索サーブレットの動作確認です。exteNd Application Serverは、新しいアプリケーションを作成したり既存のアプリケーションに変更を加えたりしてデプロイを行うと自動更新され、再起動などを行うことなく、すぐにデプロイしたアプリケーションを利用することができます。
ブラウザを起動して次のURLを入力しましょう。
http://localhost/MyZipService/WSGetNearbyZipCodes?ZipCode=60143&RadiusMiles=10
ここでは、引数に検索の起点となる郵便番号「ZipCpde」エレメントに「60143」という値を、検索範囲の距離を指定する「RadiusMiles」には「10」という値を指定しています。この結果、Webブラウザには郵便番号「60143」から10マイル以内にある郵便番号とその距離が表形式として表示されていれば、郵便番号検索サーブレットの作成が成功です(画面25)。
まとめ
今回は、exteNd Composerを利用することでJ2EE準拠でありながらJavaなどのプログラムソースを記述することなく、Webサービスを利用したWebアプリケーションの開発が簡単にできることが理解できたのではないでしょうか。WebサービスはこれからのITを支える重要なアーキテクチャであることは間違いありません。「Webサービスは難しい」と、W3C、OASIS、WS-Iなどが提供する膨大な仕様を前に頭を抱えてばかりいないで、開発アプリケーションを利用し、取りあえずWebサービス、SOAの世界に触れてみてはいかがでしょうか。
第2回目は、「Novell exteNd Composerによる実用ビジネスプロセスマネジメント」と題し、複数のWebサービスを組み合わせた業務プロセスの開発について解説します。
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