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2004/05/10 14:46 更新


Winny開発者、逮捕

京都府警がWinny開発者の東大助手を著作権法違反ほう助容疑で逮捕した。プログラム開発者が著作権法違反のほう助に問われるのは初めて。

 京都府警は5月10日、P2Pファイル共有ソフト「Winny」を開発し、ユーザーが著作物を違法複製できるようにしたとして、著作権法違反ほう助容疑で東京大学大学院助手の男(33)を逮捕した。

 プログラム開発者が著作権法違反のほう助に問われるのは国内初。P2Pソフトの開発者が権利者側から民事訴訟を起こされた例はあるが、「著作権法違反をほう助した」などとして刑事事件の対象になるのは世界的にも極めて異例。

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Winny

 調べでは、助手は自ら開発したWinnyを2002年5月からWebサイトで無料配布。既に逮捕・起訴された群馬県高崎市の男らが昨年9月、映画などを無断で送信できる状態にし、著作権法違反を手助けした疑い。

 Winnyは、「WinMX」で著作権法違反による逮捕者が出た後の2002年以降に急速に普及したP2Pソフト。コンピューターソフトウェア著作権協会(ACCS)の調査では、昨年1月の時点で約22万5000人が同ソフトを使ったファイル共有を経験していた。

 開発者は「2ちゃんねる」の書き込み番号から「47」氏と呼ばれ、大学職員などと推測されていた。昨年11月、同ソフトを使用してゲームと映画を違法公開したとして京都府警が2人を逮捕した際、開発者の自宅も家宅捜索し、ソースコードなどを押収。これまで任意で調べていた。

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[ITmedia]

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